今回から奇妙な話、怖い話を掲載していこうと思います。
長いのは読むのが大変だと思うので短編でちょこちょこのせていきます。
今回は、廃墟の病院、それでは行ってみましょう。
薄暗い夕暮れ時、雨に濡れた少年・健太は、山奥にある廃墟の病院に迷い込んでしまった。
健太は、地図アプリを見間違えて道を間違えてしまい、辺り一面見渡しても人影は全くない。
ようやく見つけたのが、この廃墟の病院だった。
雨風が吹き荒れ、木々の葉擦れの音が不気味に響き、健太は恐怖に震えながら病院の入り口へと近づいた。
錆びついた鉄製の扉は壊れており、大きく開け放たれていた。
健太は意を決して、一歩踏み込んだ。
病院内部は暗闇に包まれ、天井からは蜘蛛の巣が垂れ下がっている。
不快な臭いが鼻を突き、健太は思わず顔をしかめた。
奥へと進むにつれ、不気味な音が聞こえてくるようになった。
何かが這っているような音、何かが囁いているような音。
健太は恐怖で足が動かなくなり、壁に背を預けて息を潜めた。
すると、目の前に黒い影が動いた。
それは、猫だった。
猫は健太に近づいてきて、足元にすり寄ってきた。
健太は猫を撫でると、少し安心した。
猫は健太を先導するように、奥へと進んでいく。
健太は猫の後を追いかけた。
奥の部屋には、手術台と診察台が残っていた。
手術台には、血まみれの布がかけられていた。
健太は思わず目を背けた。
すると、手術台の下から、何かが這い出してきた。
それは、白い骸骨だった。
骸骨は健太に襲いかかろうとしたが、猫が骸骨に飛びついて、追い払った。
猫は健太を安全な場所へと導き、病院の外へと出て行った。
健太は猫に感謝し、家へと帰路についた。
しかし、あの廃墟の病院で見たものは、健太の心に深く刻み込まれていた。
健太は、あの病院で何が起こったのか、そして猫は一体何者だったのか、ずっと考え続けていた。
〇その後
健太は、廃墟の病院について調べ始めた。
すると、その病院はかつて、精神病院として使われていたことがわかった。
病院では、多くの患者が謎の死を遂げていたという。
そして、猫は病院の霊魂を操る力を持っているという噂もあった。
健太は、あの猫が本当に霊魂を操っていたのかどうかは分からない。
しかし、あの廃墟の病院で体験したことは、決して忘れることはできないだろう。