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「森の中の小学生たち:消えた友達の謎」 (怖い話、奇妙な話)

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これは、私が小学生の頃に体験した、今でも忘れることができない恐ろしい出来事です。当時、私たちの学校では、秋の遠足で近くの大きな森へ行くのが恒例行事となっていました。森は広大で、古くからの樹木が生い茂り、まるで自然の迷宮のようでした。その年の遠足も例外ではなく、私たちは朝早くから森へと向かいました。

私たちのグループは、クラスメイトの佐藤君、山田君、そして私の三人で行動していました。先生の指示で森の中の遊歩道を歩きながら、自然観察をするという計画でした。私たちは元気いっぱいで、好奇心旺盛に森の中を探索していました。

森の中にはたくさんの不思議なものがありました。大きなキノコ、色鮮やかな鳥、そして風に揺れる木々の音。私たちは夢中で観察を続けましたが、次第に遊歩道から外れてしまいました。気づけば、私たちは見知らぬ場所に迷い込んでいました。

「ここはどこだろう?」佐藤君が不安そうに言いました。山田君も「地図を見てもわからないよ」と言い、私たちはどうすればいいのかわからず、途方に暮れていました。しかし、すぐに戻れるだろうと楽観的に考え、とりあえず進むことにしました。

しばらく歩いていると、遠くから薄暗い小屋が見えてきました。「あそこに行けば誰かいるかもしれない」と山田君が言い、私たちは小屋に向かいました。小屋は古びていて、使われている様子はありませんでした。しかし、ドアは開いていたので、中に入ってみることにしました。

小屋の中は薄暗く、古い家具や道具が無造作に置かれていました。窓から差し込むわずかな光が、埃っぽい空気を照らしていました。私たちは少し怖くなりながらも、小屋の中を探検し始めました。その時、突然ドアが閉まり、私たちは驚いて振り返りました。

ドアの前には、見知らぬ老人が立っていました。彼は無言で私たちを見つめており、その目には不気味な光が宿っていました。「ここで何をしているんだ?」老人は低い声で尋ねました。私たちは事情を説明し、道に迷ったことを告げました。老人はしばらく黙って考え込んでいましたが、やがて「ここは危険な場所だ。早く戻りなさい」と言いました。

私たちは急いで小屋を出て、元来た道を戻ろうとしました。しかし、森の中はすっかり様相を変えており、どこをどう進めば良いのか全くわからなくなっていました。私たちは怖くなり、手を繋いで進むことにしました。

その時、突然山田君が「佐藤君がいない!」と叫びました。振り返ると、確かに佐藤君の姿が見当たりませんでした。私たちは大声で彼の名前を呼びましたが、応答はありませんでした。辺りは不気味な静けさに包まれており、風の音だけが耳に響きました。

パニックに陥りながらも、私たちは必死に佐藤君を探しました。しかし、どれだけ探しても見つかりませんでした。疲れ果てた私たちは、森の出口を探すことにしました。幸運にも、しばらくして森の外れにたどり着きましたが、佐藤君の姿はありませんでした。

学校に戻ると、すぐに先生たちに事情を説明しました。警察が呼ばれ、捜索隊が組織されましたが、佐藤君は結局見つかりませんでした。彼がどこに消えたのか、何が起こったのか、誰も知ることができませんでした。

あの日以来、私は森に入ることが怖くなりました。佐藤君の失踪は未だに解決しておらず、彼の家族や友人たちは深い悲しみに包まれています。私もあの日の出来事を忘れることができず、時折悪夢にうなされることがあります。

あの森には何かがいるのかもしれません。何かが、私たちの理解を超えた存在が。佐藤君の失踪を通じて、私は森の中に潜む未知の恐怖を感じました。あの古びた小屋と見知らぬ老人、そして消えた友達。全てが謎に包まれたまま、私の心に深く刻まれています。

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