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消失する街:消えた記憶と真実(怖い話 奇妙な話)

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似たようなお話をもう一本。

風邪と見慣れない街

真冬の冷たい雨の日、主人公の健太は風邪をひいてしまった。

38度を超える高熱と喉の痛み、鼻水に悩まされながらも、仕事は休めないので、車で少し距離のある内科へ向かうことにした。

いつも通り、慣れた道を運転しながら、健太は頭の中で診察の段取りを考えていた。

しかし、ふと気づいた。街の様子がいつもと違う。

いつもは活気のある商店街は閑散としており、人影は全く見当たらない。

車道に車は一切走っておらず、歩行者もいない。

健太は、一瞬自分がどこか違う場所に来てしまったのではないかと疑った。

しかし、車は明らかに自分がよく知っている道を走っている。

異様な内科

    内科に到着すると、駐車場もガラガラだった。

    いつもは患者で溢れているはずなのに、人影は全く見当たらない。

    健太は、不安を感じながらも、受付へ向かった。

    しかし、受付には誰もいない。

    待合室も診察室も、誰もいない。

    まるで、この世から人が消えてしまったかのようだった。

    健太は恐怖に震えながら、診察室のドアをノックした。

    しかし、返事はない。

    その時、健太は風邪からの頭痛か頭を抱えた、熱が上がってきたのか、めまいがする。

    そのまま意識が遠のくのを感じた。

    記憶の空白

    気が付くと、健太は自分のベッドに横たわっていた。

    隣には、心配そうにしている母親がいた。

    「健太、大丈夫?熱は下がったみたいね。」

    「お母さん…ぼく、内科に行かなかったの?」

    「えっ?なに言ってるの?ちゃんと行って、先生に診てもらって、薬も処方されてきたじゃない?」

    健太は混乱した。

    確かに、記憶は曖昧だが、確かに内科に行ったはずだ。

    しかし、母親の言葉は真実のように聞こえる。

    薬棚には、確かに内科で処方されたと思われる薬が置いてある。

    しかし、健太には薬を服用した記憶がない。

    「本当に…内科に行ったのか…?」

    健太は、疑念と不安に押しつぶされそうになる。

    疑念と真実

    健太は、母親の言葉に半信半疑だった。

    しかし、確かに自分の体は薬の効果で楽になっている。

    もしかしたら、自分が風邪で意識が朦朧としていた間に、夢でも見ていたのかもしれない。

    健太は、母親に感謝の言葉を伝え、再び眠りについた。

    しかし、その夜、健太は恐ろしい夢を見た。

    夢の中で、健太は再びあの異様な街にいた。

    そして、街の人々が突然消えていく様子を目にした。

    健太は、恐怖で叫び声を上げた。

    矛盾と真実の追求

    健太は、内科への道を再度たどってみる。

    しかし、昨日の様子とは全く違う。

    街は活気に満ち、人影が行き交い、車はスムーズに走っている。

    内科も、いつも通りの風景だった。

    健太は、自分が体験した奇妙な出来事が、まるで夢のようだと感じる。

    しかし、薬棚にある薬は、現実を物語っていた。

    健太は、自分が体験したことが現実なのか、幻覚なのか、分からなくなってしまう。

    消えた街の謎

    健太は、内科の医師に相談してみる。

    しかし、医師は健太の話を信じようとしない。

    「高熱によって記憶が混乱してしまったでしょう。」

    医師は、そう結論付ける。

    健太は納得できない。

    しかし、これ以上、真相を突き止めるすべをもっていなかった。

    現実と夢が、高熱でごちゃごちゃになってしまうことなんてあるのだろうか。

    いまでも、私はあの誰もいない街を思い出すと恐怖で体が震える。

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