怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

怖い5通の手紙:怖い書類の発見:田中雄介の書類整理 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

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田中雄介は、副業での書類整理の仕事を続けていた。彼はこれまでに不思議な書類や怖い書類を見つけ、その内容に心を揺さぶられたことが何度かあった。そんな彼が、また新たな手紙に出会う日がやってきた。

ある日、雄介は倉庫の中でまたもや古びた封筒を見つけた。封筒は汚れと時間の経過で黄ばんでおり、開ける前から何か不吉な予感を感じさせた。封筒には「重要:読むべき内容」とだけ書かれていた。

封筒を開けると、中には2通の手紙が入っていた。健一は取り出し、その日のうちに読むことにした。

封筒の中身


手紙1
差出人:山田

親愛なる友人へ、

久しぶりに手紙を書きます。最近、妙なことが続いていて、どうしても君に伝えたくなったんだ。数日前から、毎晩同じ夢を見るようになった。その夢はまるで現実のように鮮明で、内容はいつも同じだ。

私は古い屋敷の中を歩いていて、その屋敷はまるで廃墟のように荒れ果てている。廊下を進むと、奥から誰かの声が聞こえる。その声は低く、囁くように私の名前を呼んでいる。恐怖に駆られながらも、その声の主に近づいていくと、突然目が覚めるんだ。

何か意味があるのか、それともただの悪夢なのか。最近、寝不足で気分も悪く、どうしたらいいのか分からない。君にこのことを話すことで、少しでも気持ちが楽になるといいんだが。

手紙2
差出人:山田

親愛なる友人へ、

また手紙を書いている。前回の手紙からあまり時間が経っていないが、状況はさらに悪化している。あの夢は続いているだけでなく、現実にも影響を及ぼし始めた。

昨日の夜、夢の中で聞いた声が現実でも聞こえてきたんだ。夜中に目が覚めると、部屋の中に誰かがいるような気配がして、耳元で囁く声が聞こえた。怖くて電気をつけたが、誰もいなかった。

昼間も気配を感じることがある。仕事中でも、誰かに見られているような感覚に襲われる。君ならどうするだろうか?何かアドバイスがあれば教えてほしい。


雄介はその2通の手紙を読み終え、背筋に冷たいものを感じた。差出人の山田が体験している恐怖は、ただの夢や幻覚ではなく、現実に影響を及ぼしているようだった。彼はその夜、手紙の内容が頭から離れず、眠れない夜を過ごした。

数日後、雄介は再び倉庫で書類を整理していると、残りの3通の手紙を見つけた。彼はその場でそれらを読むことにした。

封筒の中身2


手紙3
差出人:山田

親愛なる友人へ、

君に伝えたいことがある。あの声の主が誰なのか、少しずつ分かってきたような気がする。夢の中で、その声は私に向かって何かを伝えようとしている。

昨夜の夢では、屋敷の奥にある古い部屋にたどり着いた。部屋の中には古びた鏡があり、その鏡に映った私の姿が、まるで誰かに取り憑かれたように見えた。鏡の中の私は、不気味な笑みを浮かべていた。

恐怖で目が覚めると、現実の世界でもその鏡が存在しているかのように感じた。部屋の中を見回しても、もちろんそんな鏡はない。しかし、その感覚は消えない。

君にこのことを話すことで、少しでも恐怖が和らげばいいんだが…。

手紙4
差出人:山田

親愛なる友人へ、

事態はさらに深刻になっている。昨夜、夢の中でその鏡に近づいた時、鏡の中の私が突然動き出した。そして、鏡の中から手が伸びてきて、私を引きずり込もうとしたんだ。

必死に抵抗したが、目が覚めた時には冷や汗でびっしょりだった。もうこの夢から逃れられない気がする。現実でも、誰かが私を見つめている感覚が消えない。

この手紙を書くのも恐怖でいっぱいだが、君に伝えることで少しでも救われる気がする。どうか、私の話を信じてほしい。

手紙5
差出人:山田

親愛なる友人へ、

これが最後の手紙になるかもしれない。あの夢と現実が完全に交錯している。昨夜、ついにその鏡の中の存在が私を捕らえた。

目が覚めると、私は鏡の中に閉じ込められていた。外の世界が歪んで見え、手を伸ばしても触れることができない。まるで鏡の中に閉じ込められたような感覚だった。

これが現実なのか、夢なのか、もう分からない。君に伝えたいのは、決してこの鏡に触れてはならないということだ。もし、君が同じような体験をするなら、すぐに逃げてほしい。

そして、どうか、私のことを忘れないでほしい。


雄介はその5通目の手紙を読み終え、全身に鳥肌が立った。山田が体験した恐怖は現実と夢の境界を超え、彼を鏡の中に閉じ込めたかのようだった。雄介はその手紙を手に持ちながら、倉庫の中の鏡を見つめた。

恐怖と不安が彼の心を支配し、しばらくの間、動くことができなかった。手紙の内容が現実であったのか、ただの妄想であったのか、彼には判断がつかなかった。

だが、彼は確信していた。この手紙に書かれた恐怖は、ただの作り話ではなく、何かもっと深い闇が隠されていると。

雄介はその手紙を封筒に戻し、心に深い恐怖を抱えながらも、普段通りの生活を送ることを決意した。そして、二度とその手紙を読み返すことはなかった。

その後も書類整理の仕事を続けたが、あの5通の手紙のことは決して忘れることができなかった。雄介は、不思議でありながらも恐ろしい体験を心に刻み、これからも慎重に生きることを誓った。

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