真夏の日、アパートの一室で、亜紀はうだるような暑さにうんざりしていました。エアコンのスイッチを入れても、一向に涼しくなりません。リモコンの電池切れを疑い、新しい電池を入れてみましたが、それでも効き目はありませんでした。途方に暮れた亜紀は、仕方なくうちわを仰ぎながら、だらしなくソファにへたりこんでいました。
すると、突然、エアコンの室外機から、今まで聞いたことのないような、心地よい音楽が流れ出しました。亜紀は不思議に思い、室外機の方へ向かいました。室外機の前には、小さな妖精のような生物が数体、忙しそうに飛び回っていました。彼らは、亜紀が近づくと、ピタッと動きを止め、亜紀をじっと見つめてきました。
「こんにちは。エアコンが壊れたみたいなんだけど、助けてくれない?」と亜紀は恐る恐る話しかけました。すると、妖精の一匹が前に出てきて、亜紀に話しかけました。
'私達は『涼風妖精』と呼ばれる者です。このエアコンには、私達が住んでいて、涼しい風を作っているんだよ。でも、今日は少し機械の調子が悪くてね。ちょっと待っててくれれば、すぐに直してあげるよ'
亜紀は、妖精の存在を半信半疑ながらも、じっと妖精たちの作業を見守っていました。しばらくすると、妖精たちは室外機を指差し、誇らしげに言ったのです。
'はい、直ったよ! 涼しい風が出るようになったはずだよ!'
亜紀は、半信半疑ながらも、エアコンのスイッチを入れてみました。すると、今までとは打って変わって、冷たくて気持ちの良い風が吹き出してきました。亜紀は、妖精たちに感謝の気持ちを伝えながら、涼しい部屋で快適に過ごすことができました。
それからというもの、亜紀の部屋のエアコンは、一度も壊れることなく、いつも快適な涼しさを運んでくれました。そして、時々、エアコンの室外機から、かすかな音楽が聞こえてくるような気がしたのです。亜紀は、きっと涼風妖精たちが元気に働いているのだろう、と微笑むのでした。
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