私の家の裏山には、誰にも知られていない秘密の場所がある。それは、鬱蒼とした木々に囲まれた、ひっそりと佇む湧水だ。
山道などはなく、藪をかき分け、小石を踏みしめながら辿り着く場所。誰にも教えたくない、私だけの特別な場所だ。
その水は、澄み切ったコバルトブルーの色をしていて、太陽の光を浴びるとキラキラと輝いていた。まるで宝石箱からこぼれ落ちたような、神秘的な美しさ。
湧き出る水の音は、何とも言えない心地よさで、自然の音に包まれると心が安らぐ。深呼吸をすると、空気中に広がる水の香りが、私の五感を刺激する。
その水を口に含むと、今まで味わったことのないような甘みが広がる。冷たく、それでいてまろやかな口当たりは、まさに自然が作り出した芸術品。
そのまま飲んでも美味しいのはもちろん、この水で炊いたご飯は格別だった。ふっくらと炊き上がり、一粒一粒が立っていて、噛むたびに甘みが口の中に広がる。水道水で炊いたご飯はもう食べられないほど、この水で炊いたご飯は特別だった。
また、この水で作った味噌汁も絶品だった。出汁の味が一層引き立ち、具材の旨みが凝縮された、奥深い味わいがする。
この不思議な水に、私は魅了された。いったいなぜ、こんなにも美味しいのか?どこから湧き出ているのか?
疑問に思った私は、図書館で湧水について調べてみた。しかし、どこを探しても、私の家の裏山にあるような、これほどまでに美味しい湧水に関する情報はなかった。
もしかしたら、この水は特別な力を持っているのかもしれない。そんなことを考えながら、私は毎日裏山に通い、湧水を眺めていた。
ある日、ふと気がついたことがある。この湧水のある場所には、いつも小鳥たちが集まっているのだ。さえずり声を響かせ、水浴びを楽しんでいる。
もしかしたら、この水は、動物たちにとっても特別な存在なのかもしれない。
そんなことを考えながら、私は湧水をじっと見つめていた。すると、水の表面がゆらゆらと揺れ始め、不思議な模様が現れた。
それは、まるで宇宙の星雲のような、幻想的な光景だった。
私は息をのんで見入っていたが、その模様はすぐに消えてしまった。
一体、何を見たのだろう?
私は、この湧水が持つ神秘に、ますます心を奪われた。
それからというもの、私はこの湧水を「命の水」と呼ぶようになった。
この水は、私だけでなく、すべての生き物に恵みを与えてくれる。
これからも、私はこの「命の水」を守り続けたい。そして、その神秘を解き明かす日まで、この場所に通い続けるだろう。
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