都心の繁華街にあるゲームセンター。その片隅には、他の機械と違って人目を引かない古びたUFOキャッチャーがひっそりと置かれていた。誰も気に留めないその機械には、ただ一つの景品が入っている。それは小さな銀色の箱。見るからに普通の景品とは違い、奇妙な光沢を放っている。
ある日、高校生のタケシは友人と共にそのゲームセンターに訪れた。友人たちが最新のゲームに夢中になる中、タケシだけがふとそのUFOキャッチャーに目を留めた。何かに引き寄せられるように、タケシはその機械の前に立ち止まった。
「なんだこれ…」
タケシはポケットの中に手を入れ、数枚のコインを取り出した。興味本位でコインを投入し、クレーンを動かし始める。すると、不思議なことにクレーンはまるで意志を持つかのようにスムーズに動き、銀色の箱を確実にキャッチした。
「こんな簡単に取れるわけがない…」
驚いたタケシは、手にした銀色の箱をじっと見つめた。その瞬間、箱から柔らかな光が漏れ出し、中から小さな声が聞こえてきた。
「助けてくれてありがとう」
タケシは驚いて箱を開けると、中には小さなエイリアンが座っていた。エイリアンはタケシに向かって微笑みかけ、自らの身の上話を始めた。彼は遠い銀河から来た旅行者で、故障した宇宙船を修理するために地球に不時着したが、誤ってこのUFOキャッチャーの中に捕まってしまったという。
タケシはエイリアンの話を信じることができなかったが、その真剣な表情に心を打たれた。タケシはエイリアンを助けることを決心し、秘密裏に彼の宇宙船の修理を手伝うことにした。
数週間後、タケシとエイリアンは協力して宇宙船を修理し、ついにエイリアンは故郷に帰る準備が整った。出発の前夜、エイリアンはタケシに感謝の印として小さなクリスタルを手渡した。それはどんな願いも叶える力を持っているという。
「君の助けがなければ、私は故郷に帰ることができなかった。本当にありがとう」
エイリアンはそう言い残し、夜空へと飛び立っていった。
タケシはその後もクリスタルを大切に保管し、いつか本当に困ったときに使うことを心に決めた。それからというもの、タケシの心には常に不思議なUFOキャッチャーとの思い出が残り続けた。
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