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寝るのが大好きな男の子になった話2 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

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眠るのが嫌いな男の子

小学生の男の子がいました。彼は眠るのが大嫌いで、いつまでも遊び続けていたいと思っていました。夜が更けても遊ぶのをやめず、もう眠くて仕方がないと思うと、そのままリビングで寝てしまうこともしばしばありました。

男の子の両親は、「早く寝なさい」と注意しながらも、結局は彼の好きにさせていました。夜遅くにリビングで疲れ果てて眠るわが子を見て、両親は「あきれたなぁ」と言いながらも、優しく布団に運んであげるのでした。

不思議な枕との出会い

ある日、男の子はひとりで近所の駄菓子屋に出かけました。そこでは、いつものおばあちゃんが店番をしています。彼はお気に入りのお菓子を買おうとしましたが、ふと目に留まったのは、棚の隅に置かれた一つの枕でした。

その枕は、他のお菓子たちと並んでいるのがなんとも奇妙なものでした。小さな手のひらにすっぽりと収まりそうなサイズで、表面はふわふわの白い生地に包まれていました。触れると、まるで雲に触れたような柔らかさと温かさが感じられました。真ん中には小さな星の刺繍があって、ほんのりと光を放っているようにも見えました。

不思議に思った男の子はおばあちゃんに尋ねました。「この枕、どうして駄菓子屋にあるの?」

おばあちゃんはにっこりと笑って答えました。「これはね、好きな夢を見れる枕なんだよ。」

男の子は驚きました。「好きな夢を見れる枕なんて、ほんとにあるの?」

おばあちゃんは微笑みながら、「試してみるといいよ」と言いました。

駄菓子を買う予定でしたが、男の子は枕が誰かに買われてしまうかもと思い、思わずその枕を手に取りました。そして、お菓子を買うのは諦め、その不思議な枕を手に入れました。

初めての夢の旅

その夜、男の子はいつもとは違って、早めに布団に入りました。枕を手に取りながら、今日は遊園地で思いっきり遊ぶ夢を見たいな、と心の中で願いました。枕を抱きしめると、ふわっと温かい気持ちに包まれ、すぐに眠りに落ちました。

夢の中で、男の子は遊園地にいました。青空の下、カラフルな観覧車が回り、ジェットコースターが風を切って走り抜けていきます。大好きなアイスクリームを食べながら、彼は次々とアトラクションに乗り込みました。メリーゴーラウンドで風を感じたり、フワフワのわたあめを口いっぱいに頬張ったり、夢中で遊んでいました。

彼は自由自在に空を飛び、風を切ってスライダーを滑り降り、夢の中で思いっきり遊びました。目が覚めたとき、男の子は本当に遊園地に行っていたかのような満足感に包まれていました。「本当に遊園地の夢が見れたんだ!」彼は嬉しくて、次の夜が待ち遠しくなりました。

恐ろしい夢への挑戦

次の日も、男の子は早めに布団に入りました。今日はちょっと違う夢を見よう、と心に決めました。「今日は、めちゃくちゃ怖い夢を見るぞ!」そう思いながら、彼は再び不思議な枕を抱きしめて眠りに入りました。

夢の中、男の子は暗い森の中を歩いていました。風が木々を揺らし、不気味な音が響き渡ります。突然、彼の前に巨大な怪物が現れました。怪物は目をぎらつかせ、鋭い牙をむき出しにして男の子に向かってきます。

怖くて逃げ出したくなった男の子でしたが、夢の中で彼は勇気を振り絞りました。「これも夢なんだ!」と自分に言い聞かせ、怪物に立ち向かいました。怪物が近づいてくるたびに、男の子はどんどん強くなり、最後には大きな剣を手にして怪物を倒してしまいました。

目が覚めると、彼は夢の中で感じた恐怖と、そしてそれを乗り越えた達成感を思い出しました。「怖かったけど、楽しかった!」と、男の子は次の夜がさらに楽しみになりました。

枕の謎

その日から、男の子は毎晩早く布団に入るようになりました。今日はお金持ちになる夢、今日はヒーローになる夢…と、さまざまな夢を楽しみました。お母さんも、毎日夜早く眠るようになったわが子を見て、ほっと安心していました。

ある日、男の子はまた駄菓子屋に行きました。いつものようにおばあちゃんが店番をしていて、男の子は「あの枕、すごいよ!」と興奮して話しかけました。

しかし、おばあちゃんは首をかしげました。「枕って、なんのことだい?」

「この前、おばあちゃんが売ってくれた枕だよ。好きな夢が見れる枕!」と男の子が言うと、おばあちゃんは笑って言いました。「あたしは枕なんて売ってないよ。ここは駄菓子屋だよ。」

男の子はびっくりしました。「じゃあ、あの枕はなんだったんだろう…?」

不思議な気持ちのまま、男の子は家に帰りました。でも、その夜も、男の子は枕を大事に抱きしめながら、楽しみな夢を見ようと早めに布団に入りました。

それからも、男の子は毎晩夢の世界で冒険を続けるのでした。そして、あの不思議な枕が何だったのか、いつまでも謎のままでしたが、男の子にとってはそれがかえって楽しい秘密となりました。

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