怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

恐ろしい駄菓子屋 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

投稿日:

小さな田舎町に、古びた駄菓子屋がありました。店の名前は「木陰堂(こかげどう)」。薄暗い店内には、今では見かけることのない懐かしいお菓子が所狭しと並んでいます。町の子どもたちはみんな、この店を避けていました。理由は簡単で、この店に入った子どもたちの多くが、不思議な体験をしたからです。

ある夏の日、裕太(ゆうた)という少年がその駄菓子屋に興味を持ちました。裕太は町に引っ越してきたばかりで、木陰堂の噂を信じていませんでした。彼は友達にその店のことを聞くと、みんなが口を揃えて「絶対に行かない方がいい」と忠告しました。しかし、好奇心旺盛な裕太は、それがかえって挑戦のように感じられました。

翌日、裕太は学校帰りに木陰堂へ向かいました。古びた木製のドアを押し開けると、店内から古いベルの音が響きました。中に入ると、確かに何十年も前にタイムスリップしたような感覚に襲われました。店の奥にいるのは、背中を丸めた老女で、その顔は深い皺に覆われ、目は冷たい光を放っていました。

「いらっしゃい、坊や。何が欲しいのかしら?」老女は静かに尋ねました。

裕太は店内を見渡し、棚に並んでいるお菓子を手に取りました。何となく妙な感じがしましたが、深く考えずにいくつかのお菓子を選びました。会計を済ませると、老女はにやりと不気味に笑いながら、こう言いました。「これで、もう戻れないわよ。」

裕太はその言葉に戸惑いながらも、家に帰りました。その夜、彼はその駄菓子を食べてみることにしました。一つ目のお菓子を口に入れた瞬間、彼は激しい頭痛に襲われました。目の前がぐるぐると回り、意識が遠のいていきます。そして、目を開けたとき、裕太は見知らぬ場所に立っていました。

そこは、古びた駄菓子屋の店内でしたが、今度はすべてが灰色に染まっていました。棚に並ぶお菓子は腐敗し、辺りからは腐臭が漂っています。そして、裕太の目の前に現れたのは、先ほどの老女。しかし、今度は彼女の顔が骸骨のように変わり果てていました。

「もうここから逃げられない。お前はこの店の一部になるんだよ。」老女の声は低く、恐ろしげに響きました。

裕太は必死に逃げ出そうとしましたが、店のドアはびくともしません。彼の体は次第に動かなくなり、まるで木の人形のように硬直していきました。最後に見たのは、笑い続ける老女の顔でした。

翌朝、彼の母親は息子がどこにもいないことに気づきました。普段は早起きして学校に行く準備をしているはずの裕太の部屋が、静まり返っています。ベッドは乱れたまま、昨日のままの状態。裕太が戻らなかったことに、母親は不安を覚えました。

町中を探しても裕太の姿は見当たらず、裕太の母親はすぐに警察に通報しました。小さな田舎町では、子供が行方不明になるなど滅多にない出来事でした。その知らせは瞬く間に町中に広がり、住民たちは皆、心配そうに集まりました。

警察は裕太が最後に目撃された場所や、彼がよく遊んでいた場所を探しました。しかし、どこにも手がかりはありませんでした。裕太のクラスメートたちも、何か情報を持っていないかと聞かれましたが、誰も裕太が木陰堂に向かったことを知りませんでした。

町は騒然となり、保護者たちは子どもたちに外出を控えるように言い聞かせました。町の広場では裕太の無事を祈るために、人々が集まりました。誰もが心配し、そして恐れていました。裕太が何かに巻き込まれたのではないかと。

その日、町の年長者の一人が、ある噂を口にしました。「昔、この町で同じように行方不明になった子どもたちがいたんだ。そして、あの古い駄菓子屋…木陰堂に行った後、誰も帰ってこなかった。」

その話を聞いた町の人々は、木陰堂の存在を思い出し、背筋が凍るような思いに駆られました。町の老人たちは、木陰堂にまつわる不吉な噂を子どもたちに話し始めました。過去にその店に足を踏み入れた子供たちが、一人また一人と消えていったこと。そして、消えた子供たちは決して戻ってこなかったという話。

町の雰囲気は一気に暗く、重苦しいものになりました。裕太の家族はもちろん、町中の人々が一刻も早く裕太が見つかることを願いました。しかし、木陰堂の前を通り過ぎるたびに、誰もがその古びた店の中に何か得体の知れない恐ろしいものが潜んでいると感じ、決してその扉を開けることはありませんでした。

裕太の母親は、祈るように何度も木陰堂の前に立ちましたが、店の中からは何の音も聞こえてきませんでした。ドアの向こうには、ただ静寂だけが広がり、彼女の涙が落ちる音だけが響いていました。

町はいつまでも裕太の帰りを待ち続けましたが、その静かな田舎町に戻ってくることは二度とありませんでした。それ以来、木陰堂の存在は町中の禁忌となり、誰もがその店を避けるようになりました。裕太の行方不明事件は、町の中で永遠に語り継がれることとなり、木陰堂はますます不気味な存在となっていったのです。

数日後、町の人々は木陰堂の前に置かれた小さな木製の人形を見つけました。その人形は、まるで裕太の姿をしているかのようでしたが、誰もそれが裕太本人だとは気づきませんでした。

そして、木陰堂は今日もひっそりと営業を続けています。新たな犠牲者が訪れるのを待ちながら…。

【駄菓子 お菓子 詰め合わせ】 駄菓子詰め合わせ お菓子 チョコレート 70個入り 駄菓子セット 大袋お菓子入り プレゼント ギフト パーティー 誕生日 女子会 イベント 歓迎会 差し入れ (40個入り)

新品価格
¥1,900から
(2024/8/9 15:54時点)



マンガ無料立ち読み

マンガをお得に読むならマンガBANGブックス 40%ポイント還元中

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】


ロリポップ!

ムームーサーバー




新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp

ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.