彼はその日、システムトラブルで深夜にようやく仕事を終え、疲れ果てた状態でタクシーに乗り込んだ。家の最寄り駅に着くと、少し飲み物と食べ物を買おうと駅前のコンビニに立ち寄った。買い物を済ませ、家に向かう裏道を歩き始めたときには、とうに日付は変わっており深夜となっていた。
彼が住んでいるアパートは、駅から少し離れた古い建物で、そこへ続く道は街灯がまばらにしかない。夜は特に薄暗く、人気が全くない。その道には「痴漢に注意」と書かれた小さな看板が立っており、普段でも少し不安を感じる場所だった。
その夜も人影はまったくなく、ただ彼の足音だけが響いていた。歩いている途中、突然、後ろから誰かに声をかけられたような気がして、彼は思わず振り返った。しかし、そこには誰もいなかった。
気のせいだろうと自分に言い聞かせ、再び歩き始める。だが、またしても後ろから声が聞こえた気がした。もう一度振り返るが、やはりそこには誰もいない。
背筋が冷たくなり、不安が胸を締めつけた。彼は足早に歩き始めた。家まであと少しのところで、突然、耳元でかすかな男性の声が聞こえた。
「すみません」
その瞬間、彼の心臓は凍りついた。すぐに周りを見渡したが、やはり誰もいない。
恐怖に駆られ、彼は全速力で家まで走り抜けた。ドアを閉めると、すぐに鍵をかけ、息を整えた。しばらくして、やっと落ち着きを取り戻したが、その夜のことは決して忘れられない恐怖として彼の心に残り続けた。
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