ある夏の夜、蒸し暑さの中、私は寝つきが悪く、何度も寝返りを打ちながらようやく眠りに落ちました。時計が深夜2時を回ったころ、ふいに目が覚めました。部屋は真っ暗で、静寂が耳に痛いほどです。意識ははっきりしているのに、どうしたことか体が動きません。全身が鉛のように重く、目を動かすことさえままならない状態でした。
「これは、金縛りだ…」と直感しましたが、その直後から異常な感覚が襲ってきました。部屋の隅から、かすかなすすり泣きが聞こえてきたのです。最初は気のせいかと思いましたが、その音は徐々に大きく、そしてはっきりと聞こえるようになりました。それは、若い女性の泣き声のようでした。
恐怖に包まれながらも、目だけを動かして音の方向を確認しようとしましたが、何も見えません。しかし、泣き声はどんどん近づいてくるのが分かります。息が詰まるような緊張感の中、突然頭のすぐ上で誰かが立っている気配を感じました。冷たい空気が首筋に触れ、鳥肌が立ちます。
心臓が激しく鼓動する中、誰かが私の耳元で低い声で何かを囁きましたが、それは言葉にならないような音でした。その瞬間、恐怖が限界に達し、無理やり体を動かそうとしました。すると、バキッという音とともに体が自由になり、全てが消え去りました。気づけば、ただの暗い部屋に戻っていたのです。
その夜以来、あの泣き声と冷たい気配が忘れられず、夜中に目が覚めるたびに同じ恐怖が蘇ります。金縛りが単なる生理現象であると分かっていても、その体験は恐ろしいリアルさで今でも鮮明に残っています。
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