金縛り体験談：「窓際に立つ白い影…近づいてくるその顔に凍りついた夜」

私は以前、家族と離れて一人暮らしをしていたとき、奇妙な金縛りに頻繁に遭う時期がありました。その中でも、特に忘れられない出来事があります。

それは、秋の終わり、肌寒い夜のことでした。仕事で疲れ果てていた私は、布団に入るとすぐに眠りにつきました。深夜、ふと目が覚めたとき、部屋は薄暗く、外の街灯が微かに窓から差し込んでいました。最初は、何気なく目を開けただけのはずでしたが、すぐに違和感に気付きました。私はまったく動けなかったのです。

「また金縛りだ…」と思った瞬間、背中に嫌な汗がにじみ出ました。呼吸はできるものの、まるで全身が重りで押さえつけられているような感覚。何度か金縛りを経験していたため、最初はそれほど驚きませんでしたが、その夜はいつもとは違いました。

視界の端に、何かが見えました。窓際に、ぼんやりと人影が立っているのです。それは白っぽい影で、最初はぼやけていましたが、じっと見ていると徐々に輪郭がはっきりとしてきました。心臓がドクドクと高鳴り、息苦しさが増していきます。

その影は、ゆっくりとこちらに向かって動き始めました。何とか目を閉じようとしましたが、恐怖で体が完全に固まってしまい、視線を逸らすことができません。その影は女性の姿をしており、長い髪が顔を覆っていました。動くたびに、髪の間から少しずつその顔が見え始め、私は恐怖で凍りつきました。

顔は異様に歪んでいて、目は真っ黒な穴のように深く落ち込んでいました。そして、その口が不自然に大きく開いて、何かを叫んでいるように見えましたが、音は一切聞こえませんでした。彼女は私の足元まで来ると、ゆっくりと這い上がるように近づいてきました。心臓が破裂しそうになりながらも、私は必死に叫ぼうとしましたが、声は全く出ません。

その白い影が私の顔のすぐ近くに迫った瞬間、突然パチンと音がして、全てが一瞬で消えました。気が付くと、部屋には静寂が戻り、ただ冷たい夜の空気だけが漂っていました。体が動くようになった私は、一気に体を起こし、全身が震えているのを感じました。

その後、しばらくは窓際を見るのが怖くて、カーテンを常に閉め切ったままにしていましたが、あの顔が今でも時折夢に出てくることがあります。金縛りは科学的には説明がつく現象だと分かっていても、あの夜の恐怖は忘れられません。

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