ある地方の山間部に、長い間「赤い手形の家」と呼ばれている廃屋があります。この家には、今でも誰も近づこうとはしません。というのも、そこはかつて恐ろしい事件が起きた場所であり、その事件をきっかけに不気味な言い伝えが広まったからです。
今から30年ほど前、ある家族がその家に住んでいました。父、母、そして幼い姉弟の四人家族でした。しかし、ある日突然、この一家全員が行方不明となり、その後発見された時には、全員が家の中で無惨な姿で見つかったのです。特に異様だったのは、家中の壁という壁に赤い手形がびっしりと残されていたことでした。それは人間の手形ではなく、小さな子供の手のようでしたが、まるで無数の手が家族を襲ったかのような不気味さがありました。
警察の捜査でも、その手形が誰のものかは特定できず、事件の真相は未解決のままです。しかし、その後、この家ではさらなる奇妙な出来事が起きるようになりました。家に近づいた者は、夜になると背後から子供の囁き声や笑い声が聞こえるといいます。そして、気づくと服や体に赤い手形が付いているというのです。
次第にこの家は「赤い手形の家」として恐れられるようになり、地元の人々は決して近づかなくなりました。そして、この家を舞台にした都市伝説が広がり始めたのです。
ある噂によれば、あの一家が惨殺されたのは、この家に隠された「何か」に触れたからだと言います。その「何か」とは、この家に住んでいたさらに以前の住人に関わるもので、その住人もまた子供を残して謎の失踪を遂げたという記録があります。子供はある日突然姿を消し、その子が見つかった時、その子の小さな手には鮮血がべったりと付いていたそうです。子供はその後も意味不明な言葉を繰り返し、精神病院に送られましたが、その子が最後に口にしたのは、「みんなを連れていく」という言葉でした。
それ以来、家には霊的な力が宿り、赤い手形を通して次の犠牲者を呼び寄せているのだとか。特に、子供の声や足音が聞こえた時には決してその場を離れてはいけないと言われています。もし背後に振り返ったり、音のする方へ進んでしまえば、その瞬間に何かが「手を伸ばして」連れ去るからです。
実際に、この家を訪れた探検者たちの中には、後日不審な事故に遭う者が続出しました。ある者は、夜中に突然襲われたかのように体中に赤い手形の痣が残り、別の者は原因不明の高熱にうなされ続け、最終的には意識を失ってしまいました。
この家に足を踏み入れた者は、決して無事には帰れない——そう言われ、現在では「赤い手形の家」は完全に封鎖されているものの、夜中にこっそり忍び込もうとする者は後を絶ちません。
そして、今もあの家の前で耳を澄ますと、子供の声が聞こえることがあるそうです。「遊ぼうよ」と囁くその声に答えてしまえば、次の日にはあなたの家の壁にも赤い手形が現れるかもしれません——。
古びた家に残る痕跡は、過去の悲劇の名残なのか、それとも新たな犠牲者を求めるものなのか。恐ろしい真実を知りたい気持ちがあっても、どうかその衝動に負けないでください。その場所に足を踏み入れることが、二度と戻れない道の始まりかもしれません。
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