エンジン音をBGMに、広大な北海道の大地を駆け抜ける。どこまでも続くまっすぐな道、両側に広がる緑豊かな牧場。そんな風景の中に、突如として現れたのは、ひっそりと佇む小さな教会だった。
時刻は午後3時を回っていただろうか。西日が教会のステンドグラスを彩り、幻想的な雰囲気を醸し出していた。思わず車を停め、カメラを取り出してシャッターを切る。
教会の周りには、ひっそりと墓地が広がっていた。古い墓石には、読めない文字が刻まれており、歴史の重みを感じた。少し薄暗い墓地の雰囲気に、少しだけ背筋がゾクッとしたが、美しい夕焼けに気を取られ、その感覚はすぐに消え去った。
教会の中に入ると、そこは静寂に包まれていた。薄暗い室内に差し込む光が、埃一つない床に模様を描いていた。古いオルガンや聖書が置かれた本棚、そして、正面には十字架が掲げられていた。
しばらく教会の中を散策していると、ふと背後から気配を感じた。振り返ると、そこには誰もいなかった。気のせいかもしれない、そう自分に言い聞かせたが、心臓は早鐘を打っていた。
教会を出ると、再びあの広大な風景が広がっていた。夕焼けは深みを増し、空は茜色に染まっていた。
ラジオを付け、車を運転し始めた時だった。ラジオからノイズが入り、突然、静まりかえった。そして、かすかな女の声が聞こえてきた。「助けて…」と、まるで私のすぐそばで囁かれているような、そんな生々しい声だった。
恐怖に震えながら、車を停めた。辺りはすっかり暗くなり、教会の灯りだけがポツンと輝いていた。
「誰ですか?」と、恐る恐る声を出してみたが、返事はない。再びエンジンをかけ、その場を離れようとした時、後部座席から何かが視線を向けているような気がした。
急ブレーキをかけ、ゆっくりと後部座席を見た。そこには何もいなかった。
あれは一体なんだったのだろうか?心霊現象だったのか、それとも単なる気のせいだったのか?
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