匿名掲示板に隠された都市伝説―特定のキーワードを入力したら何が起こるのか？　怖い話　奇妙な話　不思議な話　短編集

体験談：好奇心が招いた“本当に恐ろしいこと”

僕はネットの匿名掲示板をよく見るのですが、数ヶ月前、そこで奇妙なスレッドを見つけました。そのスレッドのタイトルは「絶対に入力してはいけないキーワード」というもので、都市伝説好きの間で話題になっているようでした。

スレッドを開くと、次のような内容が書かれていました。

「ある特定のキーワードをネット上に入力すると、奇怪な現象が起こるという噂がある。そのキーワードを入力した者は、その後決して元通りの生活には戻れないと言われている。誰もそのキーワードを明かさないが、試した者の多くは行方不明か、精神的に崩壊しているらしい。好奇心で試すのはやめておけ。」

そんな書き込みを見た瞬間、僕の中の好奇心が掻き立てられました。もちろん、普通に考えればただの作り話だと分かっていますが、都市伝説というものは、そこに隠された“真実”があるからこそ、興味をそそられるものです。僕はそのスレッドを深く読み進め、ついにその“キーワード”にたどり着きました。

それは一見、意味のない文字列でしたが、何か異様な気配を感じさせるものでした。書き込みの中には、そのキーワードを試した人が何も起こらなかったと報告しているものもあれば、逆に「本当にヤバいことが起こった」と怯えた投稿もありました。真実が何なのか、僕はますます気になりました。

結局、僕はそのキーワードを試してみることにしました。夜中の3時頃、誰も起きていない時間帯に、僕はそのキーワードを掲示板のコメント欄に入力しました。キーボードを叩くたびに、背筋に冷たい感覚が走ります。キーワードを入力し、送信ボタンを押した瞬間、僕の画面がフリーズしました。

「やっぱりただのバグか…」そう思いながらパソコンを再起動しました。しかし、再起動後、何かがおかしいことに気付きました。ブラウザを開いた瞬間、見覚えのない掲示板のページが自動で表示され、画面いっぱいに奇妙なシンボルや文字がびっしりと並んでいました。まるで意味のない暗号のようでしたが、どうしても目が離せず、その中にどこか不吉なメッセージが隠れているような気がしてなりませんでした。

さらに、パソコンのスピーカーから微かに低いノイズが流れ始めました。それは徐々に人の囁き声に変わり、何かを訴えているように聞こえました。心臓が激しく鼓動し、僕はすぐにそのウィンドウを閉じようとしましたが、画面は固まって動きません。ノイズは次第に大きくなり、意味不明な言葉が耳元で響き渡るようになりました。

パニックに陥った僕は、無理やりパソコンの電源を落とし、そのままベッドに飛び込みました。全身が震え、冷や汗が止まりません。部屋の中は異様なほど静かで、ただ自分の呼吸音だけが響いていました。

翌朝、恐る恐るパソコンを再起動してみましたが、今度は問題なく起動しました。昨日の出来事がまるで嘘のようで、あれが何だったのか理解できませんでした。しかし、パソコンのデスクトップには、見覚えのないファイルが一つ追加されていました。ファイル名は「あなたは選ばれた」と書かれており、開く勇気はどうしても湧きませんでした。

その後も、パソコンを使うたびに何かが背後にいるような気配を感じ、夜中に誰かが囁くような声が聞こえることが増えました。最終的に僕は、そのパソコンを処分し、新しいものに買い替えましたが、今でも時折、あの囁き声が頭に蘇ります。

都市伝説の大半はただの作り話だと信じていましたが、あの掲示板で体験したことは、僕にとって紛れもない現実でした。もし、あなたがネット上で“試してはいけない”という噂を耳にしたら、その誘惑に負けないでください。好奇心で踏み込んだ先に待っているのは、きっと後悔と恐怖だけです。

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