“消えたログイン画面”―パソコンに閉じ込められた魂の囁き怖い話奇妙な話不思議な話短編 - 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。

“消えたログイン画面”―パソコンに閉じ込められた魂の囁き　怖い話　奇妙な話　不思議な話　短編

投稿日：2024年8月26日

体験談：消えたはずのログイン画面が映し出す恐怖

数ヶ月前のこと、僕は友人から中古のノートパソコンを譲り受けました。友人は新しいモデルを購入したため、古いパソコンが不要になったとのことでした。それでも十分に使えるスペックだったので、僕は喜んでそのパソコンを受け取りました。初期化されていたため、まっさらな状態から自分のアカウントを設定し、早速使い始めました。

最初の数週間は何の問題もなく、普通に使っていました。しかし、ある日のことです。いつものようにパソコンを起動しようとすると、見覚えのないログイン画面が表示されました。通常なら、自分のアカウント名とアイコンが表示されるはずなのですが、そこには「Welcome back, Erika」というメッセージと共に、見知らぬ女性の顔がアイコンとして映し出されていました。

「Erika」という名前にも、その顔にも全く覚えがありません。最初は何かのバグかと思い、再起動してみましたが、再び同じ画面が表示されました。慌てて友人に連絡して確認すると、その友人も「Erika」という名前の人物は知らないと言います。しかも、そのパソコンには自分のデータしか入っていないはずで、以前の所有者も別のアカウントを使っていたとのことでした。

不安に駆られながらも、とりあえずそのアカウントを無視し、自分のアカウントでログインしました。中に入ると、特に異常はなく、普段通りに使うことができました。しかし、その夜から奇妙な出来事が続きました。

パソコンを使用していると、突然画面がフリーズし、再び「Erika」のログイン画面に戻ることが何度もありました。その都度、僕はパソコンを再起動して自分のアカウントに戻るのですが、次第に「Erika」のアカウントがもっと強く主張するようになりました。ログイン画面だけでなく、デスクトップ上に「Erika」という名前のフォルダが突然現れるようになったのです。中を開いてみると、そこには大量のテキストファイルが保存されていました。

恐る恐るそのテキストファイルを開いてみると、そこには「私を見つけて」「助けて」というメッセージが繰り返し書かれていました。さらに、次のファイルを開くと、そこにはより具体的な内容が記されていました。

「私の名前はErika。私はここに閉じ込められている。逃げ出したくても、どこにも行けない。」

読み進めるうちに、僕は冷や汗が出るのを感じました。どうやらこの「Erika」という人物は、このパソコンの中に囚われていると主張しているようです。そして、次のファイルにはこう書かれていました。

「彼らが来る。私はもうすぐ見つかる。」

それからというもの、パソコンを使うたびに「Erika」の痕跡が現れるようになりました。ある時は、システム通知として突然「Help me」と表示されたり、またある時はスピーカーから低い囁き声が聞こえたりしました。特に深夜になると、その囁き声が強くなり、僕の名前を呼ぶようにさえ感じられました。

そして、決定的な夜が訪れました。深夜にパソコンを起動すると、画面全体が真っ黒になり、ただ一つ「Erika」のアカウントだけが表示されました。何も操作できず、画面をじっと見つめるしかありませんでした。突然、パソコンの画面に大きなエラーメッセージが表示されました。

「The system has encountered a critical error. Erika has been found.」

その瞬間、画面にノイズが走り、次に映し出されたのは不気味な映像でした。暗い部屋の中で、女性が椅子に座り、こちらに背を向けています。彼女がゆっくりと振り返ると、その顔は恐怖に歪んでおり、目は真っ黒で何かを訴えかけているように見えました。そして、画面に再びテキストが表示されました。

「彼女はもうここにいない。次は君の番だ。」

その瞬間、パソコンは突然シャットダウンしました。部屋の中は完全な静寂に包まれ、ただ恐怖と不安だけが残りました。

翌朝、再びパソコンを起動しましたが、今度は「Erika」の痕跡は一切残っていませんでした。ログイン画面も正常に戻り、あの奇妙なアカウントもフォルダも消えていました。まるで、あの夜の出来事が幻だったかのように。

それ以来、僕はそのパソコンを使うのが怖くなり、新しいパソコンを購入しました。古いパソコンは廃棄するつもりでしたが、結局はリサイクルショップに持ち込むことにしました。今でも思い出すたびに背筋が寒くなりますが、あの「Erika」という名前の謎の女性は、いったい何者だったのでしょうか？そして、なぜ僕のパソコンに現れたのか。その答えは永遠に分からないままです。

もし、皆さんのパソコンに見覚えのないアカウントが突然現れたら、注意深く対応したほうがいいかもしれません。それがただのバグであることを願うばかりです。さもなければ、何か不気味な存在があなたのパソコンを通じて接触を試みているのかもしれません。