深夜に届く“助けを求めるメッセージ”―見知らぬチャットが引き起こした恐怖の連鎖　怖い話　奇妙な話　不思議な話　短編集

体験談：消えない“助けて”のメッセージが呼び寄せた恐怖

これは、僕が二度と思い出したくない、トラウマ級の体験です。

ある深夜、僕はいつものようにパソコンでネットサーフィンをしていました。時計は午前2時を過ぎていて、外は静まり返り、ただ風の音だけが聞こえていました。友人とのチャットも終わり、寝ようかと思っていたとき、突然、普段使っているチャットアプリに通知が届きました。

メッセージの送り主は「Unknown」という名前のアカウント。アイコンも設定されておらず、完全に無名のユーザーでした。不審に思いつつも、何気なくメッセージを開いてみると、そこには一言だけ、こう書かれていました。

「助けて」

深夜にこんなメッセージを受け取ると、不安が一気に押し寄せてきます。誰かの悪質な冗談かと思い、無視しようとしましたが、どうにも気になって「誰？」と返信してしまいました。しかし、しばらく経っても返事はありません。

その後も数分おきに、同じ「助けて」というメッセージが何度も届きました。無視するのが正解だと思いつつ、なぜかその言葉が頭から離れません。何か本当に緊急事態が起こっているのではないかと不安になり、「どこにいるの？」と再びメッセージを送ってしまいました。

数秒後、返信が届きました。そこには、不気味な座標のような数字が羅列されているだけでした。奇妙なことに、それは僕の住んでいる町の位置情報に近いものでした。心臓がドクドクと音を立て、全身に冷や汗が滲みました。それでも好奇心が勝ってしまい、再度「誰なんだ？」とメッセージを送りました。

すると、今度はメッセージではなく、突然画像が送られてきました。画質は荒く、暗い廃屋のような場所が映し出されています。薄暗い部屋の片隅に、ぼんやりとした人影が見えました。その姿は、こちらをじっと見つめているようで、ただその画像を見るだけで恐怖が心の底から湧き上がりました。

その瞬間、僕のチャットアプリがフリーズし、画面が真っ黒になりました。何とかアプリを再起動すると、再び同じ「助けて」というメッセージが表示され、今度は続けてこんな言葉が送られてきました。

「もう遅い、君が次だ」

恐怖に駆られた僕はアプリを閉じようとしましたが、なぜかパソコン全体がフリーズし、何も操作できなくなりました。画面はノイズが混じり始め、再びその荒い画像が表示されました。今度は、先ほどの影がさらに近づいており、その目は真っ黒に染まっていました。まるで画面の中からこちらを覗き込んでいるかのような感覚に、全身が震えました。

その後、パソコンが突然シャットダウンしました。真っ暗な画面に映るのは、ただ自分の顔だけ。それが、どこか違和感を覚えるほどに冷たい表情をしていました。

翌日、恐る恐るパソコンを再起動してみましたが、チャットアプリの履歴には「Unknown」とのやり取りが一切残っていませんでした。まるで最初からそんなチャットは存在しなかったかのように。恐怖が収まらないまま、僕はそのアプリを完全に削除しましたが、それ以降も、深夜になると不安感が押し寄せてきます。ふとスマホを見たり、パソコンを起動したりすると、またあの「助けて」というメッセージが現れるのではないかと、落ち着かない日々が続きました。

その出来事からしばらく経ったある夜、寝る前にスマホの通知を確認したところ、チャットアプリのアイコンが表示されていました。僕はすでにそのアプリを削除していたはずなのに、そこにはまた「Unknown」からの新しいメッセージが表示されていました。

「また会おう」

僕は即座にスマホを投げ出しましたが、背筋に冷たい何かが走る感覚は、今でも忘れられません。あのチャットが何を意味していたのか、誰が送ってきたのか、今でも分からないままです。

もし、深夜に見知らぬユーザーから不気味なメッセージが届いたら、決して返信しないでください。それは、あなたを巻き込もうとする“何か”があなたを探しているのかもしれないからです。

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