体験談:深夜にたどり着いた“閉ざされた場所”
夜更かしをしながら、ネットサーフィンをしていたときのことです。仕事の疲れもあり、軽い気持ちで適当にサイトを巡っていました。SNSを覗いたり、面白い動画を見たり、次々とリンクを辿っているうちに、気がつけばもう深夜2時を過ぎていました。そのとき、ふと「おすすめ」として表示されたリンクが目に留まりました。普通のブログか掲示板のようなタイトルだったので、軽い気持ちでクリックしてしまったのです。
ページが読み込まれると、画面が一瞬真っ黒になり、奇妙なデザインのウェブサイトが現れました。白地に赤黒い文字で、「Welcome to the Abyss」とだけ書かれている、無機質で不気味なホームページでした。直感的に「やめておいたほうがいい」と感じましたが、なぜかそのサイトから目を離せませんでした。まるで、その先に何かがあるかのような、得体の知れない引力に引き寄せられたようでした。
僕は少しの好奇心と、少しの恐怖を抱えながら、そのサイトをスクロールしました。そこには無数のリンクが並んでおり、どれも無意味な文字列や数字が並んでいます。気になって一つのリンクをクリックすると、別のページが開きました。そこには、解像度の低い不気味な画像が表示されていました。黒い背景に、奇怪なシンボルと見知らぬ人物のぼやけた顔。顔は微かに笑っているようにも見えましたが、その目はまるで生気がなく、じっとこちらを見つめているようでした。
次に開いたページには、短い動画が埋め込まれていました。再生ボタンを押すと、暗い部屋の中で何かが動いている映像が映し出されました。荒れた画質と薄暗い照明の中、カメラはゆっくりと廊下を進んでいきます。突然、何かが画面の端を横切り、カメラが急に振り返ったその瞬間、画面いっぱいに不気味な顔が現れました。その顔は、先ほどの画像の人物と同じものでしたが、目が異様に大きく、口は不自然に裂けていました。心臓がドキリとし、思わず目を逸らしましたが、背筋が凍るような寒気が全身を駆け抜けました。
その後も、次々とリンクをクリックしてしまい、異様な画像や動画を目にしました。中には、狂ったような笑い声が繰り返される音声ファイルや、暗号のような文章が表示されるページもありました。時間が経つにつれ、僕は次第に後悔し始めましたが、気がつくといつの間にかそのサイトから抜け出せなくなっていました。ブラウザの「戻る」ボタンを押しても反応せず、タブを閉じようとしても閉じられません。
焦った僕は、強制的にブラウザを終了させるため、タスクマネージャーを開こうとしましたが、なぜか画面には異常な文字列が表示され続け、操作を受け付けません。その時、不意にパソコンのスピーカーから微かに何かが聞こえ始めました。それは、遠くから誰かが囁くような、低い声でした。
「見てはいけない…見てはいけない…」
その声は次第に大きくなり、無意識に耳を塞ぎたくなりました。しかし、音量を下げる操作もできず、パソコンは完全に制御を失っているようでした。そして突然、画面に見覚えのある顔が表示されました。あの不気味な人物の顔です。目がこちらをまっすぐに見つめていて、ただ画面越しとは思えないほどの存在感がありました。
「もう遅い…」
その文字が画面に表示された瞬間、パソコンが突然シャットダウンしました。暗闇の中で心臓が激しく鼓動する音だけが響き、しばらく動けませんでした。
やっとの思いで電源を入れ直してみると、何事もなかったかのようにパソコンは通常通りに起動しました。しかし、その後も、時折ブラウザを開いたときに、一瞬だけ例の顔がフラッシュのように映り込むことがありました。まるで、あのサイトの“何か”が僕をまだ見ているかのように…。
結局、僕はパソコンを初期化し、できる限りのセキュリティ対策を取りましたが、あの時の不安は今も消えていません。深夜にネットサーフィンをしているとき、ふとした瞬間にまたあのサイトに迷い込んでしまうのではないかという恐怖が、頭をよぎるのです。
インターネットには無数のサイトがあり、その中には決して踏み込んではいけない“場所”があると感じました。もし皆さんも深夜にネットサーフィンをすることがあれば、奇妙なリンクや不気味なサイトには絶対に近づかないほうがいいでしょう。見てはいけないものを見たが最後、取り返しのつかないことになるかもしれません。
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