怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

こっくりさんが招いた冷気 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

放課後、私たちは教室に集まって「こっくりさん」を試すことにした。参加者は私とショウ、アキラ、ナツキの4人。最近クラスで「こっくりさんをすると変なことが起こる」という噂が広まり、興味を持った私たちは、放課後の静かな教室で実際にやってみることにした。

黒板の前の机に紙と10円玉を置き、四隅には「はい」「いいえ」「鳥居」と五十音を書いた紙をセットした。みんなで指を10円玉に乗せ、緊張感が漂う中で儀式が始まった。

「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいますか?」

ショウが問いかけると、教室は静まり返った。夕暮れの薄明かりが窓から差し込み、外の風の音が微かに聞こえていた。最初は何も起こらず、私たちは少し気を抜きかけたが、突然10円玉がゆっくりと動き始めた。

「動いた…!」ナツキが小さな声でつぶやいた。10円玉は「はい」に止まり、全員が息を呑んでその動きを見守った。

「こっくりさん、ここにいますか?」とアキラが尋ねると、10円玉は再び「はい」に動いた。私たちは興奮と不安を感じながら、次々と質問を続けた。

「こっくりさん、私たちに何か伝えたいことがありますか?」

その質問に、10円玉は一瞬だけ止まったが、すぐにゆっくりと動き始めた。次々と文字を指し示す10円玉に、私たちは目を凝らしてそのメッセージを読み取ろうとした。

しかし、突然教室の温度が急激に下がった。まるで冷蔵庫の中にいるかのような寒気が、私たちを包み込んだのだ。

「なんか、寒くない?」ショウが震える声で言った。確かに、教室全体が急に冷え込んでいた。冷たい風が吹き込んできたような感覚がし、全員が恐怖に襲われた。

「これ、やばくない?」ナツキが青ざめた顔で言った。私たちはその場に立ち尽くし、10円玉に手を置いたまま動けなくなってしまった。

教室の窓は閉まっており、外から風が入ってくるはずがない。にもかかわらず、冷たい空気がどんどん強くなり、私たちは震え始めた。誰かがこっくりさんを止めようと声を出しかけた瞬間、机の上に置かれた紙が突然宙に浮き上がり、まるで冷気に吸い込まれるかのようにぐるぐると回り始めた。

「やめて! もうやめよう!」アキラが叫び、私たちは慌ててこっくりさんを終わらせることにした。

「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください!」

声を揃えて唱え、10円玉が「鳥居」に戻るのを見届けた瞬間、教室の冷気がさっと引いた。紙は机の上に戻り、何事もなかったかのように静まり返った。

「何だったんだ、今の…?」ショウが震えた声で言ったが、誰も答えられなかった。全員がその場から逃げ出したい衝動に駆られ、私たちは教室を飛び出して帰宅した。

その後、私たちは二度とこっくりさんをやることはなかった。あの日の教室で感じた冷気と浮き上がった紙が、こっくりさんが呼び寄せた何かの存在を確信させた。何が起こったのか、今でも理解できないまま、ただあの恐怖だけが心に残っている。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

マンガをお得に読むならマンガBANGブックス 40%ポイント還元中

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】


ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.