呪われた心霊写真：見てはいけない1枚の恐怖　怖い話　奇妙な話　不思議な話　短編集

私が体験した話は、今でも思い出すたびに鳥肌が立つ出来事です。数年前、私は友人の健太から「本物の心霊写真を見つけた」という話を聞きました。健太は昔から心霊現象やオカルトに興味があり、いろいろな怪談や心霊スポットに詳しかったのですが、実際に自分で撮ったわけではなく、ある骨董品屋でその写真を手に入れたと言っていました。

その日は健太の家に呼ばれ、数人の友人たちと一緒にその心霊写真を見ることになりました。私は最初、心霊写真なんて大げさなものだと思っており、作り物だろうくらいにしか考えていませんでした。むしろ、そんな怪しいものを集める健太を少し笑っていたくらいです。

健太が写真をテーブルの上に広げると、そこには古びたモノクロ写真が一枚ありました。写真はおそらく昭和時代に撮られたもののようで、何かの宴会の場面を映しているようでした。大勢の人々が並んで記念写真を撮っている普通の光景です。しかし、よく見ると、その中に一人だけ異様な存在が写っていました。

中央の人物の隣に、ぼんやりとした人影が映り込んでいるのです。周囲の人々が笑顔でカメラに向かっている中、その人影は顔がはっきりせず、まるで霧のように不明瞭で、不気味にそこに佇んでいるだけでした。最初はただのピンボケか何かだと思ったのですが、全員がその異様な存在に気付き、部屋の空気が一気に重くなりました。

「これが本物の心霊写真だよ」と健太は得意げに言いましたが、その場の誰もが笑っていませんでした。むしろ、その写真を見た瞬間、全員が何か得体の知れない恐怖を感じていたのです。私はその写真を見つめるうちに、背筋に冷たいものが走る感覚を覚えました。まるでその人影がじっとこちらを見つめ返しているかのような感覚があったのです。

しばらく写真を回し見た後、私たちは特に大きな話題にすることもなく、その日は解散しました。しかし、問題はその後から始まりました。

数日後、健太から急に電話がありました。「写真を見た次の日から、何かがおかしいんだ」と彼は言いました。最初は、健太の部屋で物が勝手に動いたり、電気が突然消えたりする現象が起き始めたそうです。彼はそれを気のせいだと思って無視していたのですが、ある夜、さらに恐ろしい出来事が起こりました。

健太が寝ていると、突然金縛りに遭い、目が覚めたそうです。体が動かない中で、彼は視線を天井に向けました。すると、天井の隅に例の写真に写っていた人影がはっきりと見えたと言うのです。それは無表情のまま、ただ健太をじっと見下ろしていたそうです。

「そのまま一晩中見られてる気がして、全然寝られなかった…」と彼は震える声で話していました。健太は写真の呪いだと確信し、すぐに写真を処分しようと考えました。しかし、どんなに燃やそうとしても、写真はまるで意志を持っているかのように何度も手元に戻ってくるのです。ゴミ箱に捨てても翌日には机の上に戻っていたり、燃やそうとしても火がつかないという不可解な現象が続きました。

健太は次第に追い詰められ、精神的にも限界に達していました。そして、ついにある日、「写真が燃えないんだ…どうすればいいんだよ…」と、消え入るような声で私に相談してきました。

私も恐怖を感じ、その写真のことを考えるのが嫌になっていましたが、健太を見捨てることはできませんでした。結局、私たちは神社に行き、写真を供養してもらうことにしました。神社の神主は、写真を見た瞬間、すぐに「これは相当重いものが憑いている」と言い、特別な儀式を行ってくれました。

写真はその儀式の中でようやく燃え、完全に消え去りました。それ以来、健太の元に怪奇現象が起こることはなくなり、平穏な日々が戻ってきましたが、あの写真に映っていた不気味な人影のことは今でも忘れられません。

今思えば、あの写真を見たこと自体が呪いの始まりだったのかもしれません。何かを捉えた写真や映像に、私たちが踏み込んではいけない領域があるのだと、痛感させられる出来事でした。

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