深夜の図書館で感じた背中の視線…耳元で囁かれた意味不明な声と恐怖の真相とは?
私は大学の卒論に追われ、頻繁に夜遅くまで図書館にこもっていた。静寂の中で集中できる環境はありがたいが、その日は少し異様な雰囲気が漂っていた。図書館内は広く、ほとんどの席が空いている状態だったが、なぜか背中に視線を感じ続けていた。
夜の図書館は普段よりさらに静かで、ページをめくる音や、誰かが歩く音が遠くで響く。それでも、何かが私の背中をじっと見つめている感覚は消えなかった。ちらりと周囲を確認しても、数人の学生が静かに本を読んでいるだけで、誰もこちらを気にしている様子はない。
私は再びノートパソコンに向かい、集中し直そうとした。しかし、背中に何かが引っかかる。まるで、すぐ後ろに誰かが立っているかのような違和感だった。何度か背後を確認したが、そこにはただの空席があるだけ。
「気のせいだろう…」と自分に言い聞かせ、作業に戻ったが、違和感は次第に増していった。やがて、視線だけではなく、背中に冷たい感覚がまとわりつくようになり、ますます集中できなくなった。
その時、不意に耳元で囁くような声が聞こえた。
「ズズ…ゴォォ…ニャラリ…」
低く、かすれた囁き声だった。それはすぐ近く、まるで背後から直接耳元に語りかけられているかのようだった。瞬間的に全身が凍りついた。
「ニャウ…ガァ…ズルグ…」
もう一度、今度ははっきりとした囁き声が耳に響いた。意味の分からない音の羅列だが、不気味さが全身を包み込んでいく。背中から何かがじわりと這い上がってくるような感覚がし、私は恐怖で動けなくなった。
「ズル…ガグ…ニャアァ…」
恐る恐る振り返るが、背後には誰もいない。無人の机がただそこにあるだけだ。それでも、囁き声だけははっきりと耳に届き続けた。
「やめてくれ…」私は震える声で呟いたが、その瞬間、背中に視線がますます強くなった。まるで「何か」が私の存在を確認し、そこに留まろうとしているようだった。
あまりの恐怖に耐えきれず、私は席を立って図書館を出ようとした。しかし、立ち上がる瞬間、背中に感じた視線は鋭さを増し、耳元で囁きが再び響き渡った。
「ニャアァ…グガァ…ズズズ…」
その声は徐々に遠ざかり、図書館の外に出た瞬間には完全に消え去った。冷たい風が吹き付ける夜道を歩きながら、私は背中の恐怖から逃れたことにほっと胸を撫で下ろしたが、心の中では不安が渦巻いていた。
翌日、恐怖を引きずったまま、私は友人に昨日の出来事を話してみた。友人は最初こそ「疲れてただけだろう」と笑っていたが、話が進むにつれて彼女の表情が変わった。
「実は、私も最近同じようなことがあったんだ」と彼女は話し始めた。彼女もまた、図書館で夜遅くまで作業していた際、背中に何かの気配を感じたという。まさに、私が体験したのと同じ恐怖を彼女も感じていたのだ。
それ以来、私はその図書館に行くのが怖くなった。何かがあの場所にいる。背中にまとわりつく視線の正体は分からないが、確実に「何か」がそこにいた。私と友人はもうその図書館に近づかなくなったが、今でも背中に冷たい感覚が蘇る時がある。特に夜、一人で作業をしている時、あの不気味な囁きが再び耳元に響くのではないかという恐怖が、今も私の心に影を落としている。
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