卒業アルバムに写る知らない少女…探し続けた末に知った衝撃の真実とは?
卒業から数年が経ち、私は仕事で忙しい日々を送っていた。そんな中、実家に帰った時、ふとした懐かしさから、高校時代の卒業アルバムを開くことにした。そこには、当時のクラスメイトの顔ぶれやイベントの写真がずらりと並んでおり、過去の思い出が一気に蘇った。
ページをめくっているうちに、ある一枚のクラス写真に目が留まった。それは、私たちが3年生の時のクラス全員で撮影した集合写真だった。みんなが整列して笑顔でカメラに向かっている、何の変哲もない一枚。だが、その写真の中央にいる一人の女の子に目を奪われた。
「…誰だ、この子?」
見覚えのない顔があった。その少女は、私たちのクラスにいたはずがない。全員分の顔を確認したが、その少女だけはどうしても記憶に残っていなかった。彼女は、真ん中の列に立って微笑んでいたが、他のクラスメイトと比べて少し浮いたような存在感を放っていた。
「おかしいな、こんな子いたっけ?」私は違和感を覚え、すぐにクラスメイトに連絡を取った。
最初に連絡したのは、当時仲が良かった友人の翔だった。彼もアルバムを取り出し、写真を確認してもらったが、返ってきたのは予想通りの答えだった。
「この子、知らないな…。俺の記憶には全然ないよ。誰だろうな。」
続けて他のクラスメイトにも聞いてみたが、誰もその少女を覚えていないという。全員が「見覚えがない」と口を揃えて言ったのだ。なぜ彼女がクラス写真に写っているのか、そしてどうして誰も彼女を覚えていないのか、不安と疑問が膨らんでいった。
私はこの謎を解き明かしたくて、彼女の手がかりを探し始めた。最初は学校の卒業名簿や名簿のページを確認したが、彼女の名前はどこにも載っていなかった。次に、当時の先生に連絡を取ってみたが、先生もその少女については知らないという。
「卒業式の日に撮った写真だよね?そんな子、クラスにいたかしら…」先生の声には驚きと困惑が混ざっていた。
それでも私はどうしても諦められず、彼女のことを徹底的に調べようと決意した。写真を見つめ続け、どこかに手がかりがあるはずだと思い込んでいた。やがて、写真の背景に写っている場所が、学校の裏手にある古びた校舎であることに気づいた。あの校舎はもう使われておらず、ずっと放置されていたが、私たちが写真を撮った場所だった。
もしかして、あの古い校舎に何か秘密があるのではないか?私はその思いに駆られ、次の休日に学校へ向かうことにした。校舎は廃棄寸前の状態で、立ち入り禁止の立て札があったが、私はどうしても中を確認したかった。
放課後、学校に忍び込む形で校舎に入った。中は廊下の床が軋み、窓は割れていて、冷たい風が吹き込んでいた。何かを探すように校舎を歩き回っていると、使われなくなった教室の扉の一つに目が留まった。
その扉を開けると、教室の中には古い机と椅子が乱雑に置かれていた。壁には、かつてのクラス写真が何枚か貼られており、その中に問題の女の子の写真が混じっていた。だが、それは私たちが卒業した年よりも前の写真だった。
「この子…」
確かに、その少女はここにいた。だが、私たちのクラスにいたわけではなかった。さらに調べを進めるうちに、私は図書館の古い新聞記事に辿り着いた。そこには、10年ほど前にその学校で起こった事故のことが記されていた。
――少女が、校舎の裏手で事故死したという内容だった。写真に写っていたのは、その事故で亡くなった生徒だったのだ。事故以来、彼女の存在は徐々に忘れ去られていき、誰も話題にしなくなったという。
「そうか…この子は…」私はぞっとした。
だが、それだけでは終わらなかった。帰宅して再び卒業アルバムを開くと、今度は写真の中の彼女の姿がさらにくっきりと浮かび上がっていることに気づいた。まるで、私が彼女を突き止めたことにより、その存在が強まっていったかのように。
「探さない方がよかった…」
そう思った瞬間、アルバムのページから彼女の微笑みが私をじっと見つめているように感じられた。どこか哀しげで、それでいて何かを伝えたがっているような、その微笑みが次第に私の中に恐怖を植え付けていった。
それ以来、私はあの卒業アルバムを開くことができなくなった。彼女を探し出したことが、何か封印されたものを解き放ってしまったのかもしれないと、後悔の念が絶えない。
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