卒業アルバムに写った不気味な笑顔…クラス中で話題になった奇妙な写真の真相とは?
高校生活が終わりを迎えた頃、クラス全員が待ち望んでいた卒業アルバムが配られた。写真には、3年間過ごしたクラスメイトたちの顔が並び、修学旅行や文化祭、体育祭などのイベントの思い出がぎっしり詰まっていた。
私はアルバムを受け取ると、教室で友人たちと写真を見ながら笑い合っていた。いくつかの写真はおかしな表情やポーズをしているクラスメイトもいて、「この写真、やばいな!」と冗談を言い合う楽しさに浸っていた。
しかし、アルバムをめくり続けるうちに、ある写真に違和感を覚えた。クラス全員で撮影した集合写真のページに、何かが「おかしい」と感じたのだ。
「ねぇ、この写真、変じゃない?」隣に座っていた友人に声をかけた。
「え?どれ?」友人が覗き込んで一緒に見た瞬間、彼女も眉をひそめた。「あれ…なんか違う気がする…。」
その違和感の原因は、クラスメイトたちの「笑顔」にあった。よく見ると、ほとんどのクラスメイトの表情が少し歪んでいたのだ。普通の笑顔ではなく、口元が不自然に大きく引き伸ばされ、目の笑い方もどこかぎこちない。まるで、何かが強制的に笑わせているかのような奇妙な表情をしていた。
「え、こんな顔してたっけ?」私は頭をひねった。写真を撮った当時のことを思い出しても、こんな不気味な笑顔をしていた記憶は全くない。写真に写っているのは間違いなく私たちだが、何かがおかしい。
「みんな、見てみて!この写真、変じゃない?」私たちが周囲の友人たちに呼びかけると、次第に教室中でその写真が回され始めた。
「うわ、ほんとだ!なんかみんなの顔、笑いすぎじゃない?」
「これって…どういうこと?」
「撮った時は普通だったのに…」
次第に教室中がざわつき始め、先生も気づいて一緒に写真を確認し始めた。先生も「確かに、これはちょっとおかしいね」と驚いた様子だったが、特にこれといった原因はわからなかった。カメラの故障や写真のプリントミスが原因ではないかと誰かが言ったが、どうして集合写真だけがこんなふうになったのか、誰も答えを見つけることができなかった。
その後、私たちのクラスではしばらくの間、その奇妙な写真が話題に上った。教室では、「なんか呪いでもかけられたんじゃない?」とか、「幽霊がいたのかもね」などと冗談を言い合う生徒たちもいた。
でも、誰もその写真に「特別な意味」を感じることはなかった。写真自体はただの歪んだ笑顔が並ぶ不気味な一枚でしかなく、何かが実際に起こるわけでもなかったからだ。また、後日集合写真のみ撮り直し、新しい卒業アルバムが届いた。だからこそ、その写真は一時的な話題に留まり、次第にみんなの関心は別のことに移っていった。
それでも、私は時折その写真を見るたびに、あの日の違和感を思い出していた。なぜか、その歪んだ笑顔が私の頭の片隅に残り続け、どこか不気味な印象を拭い去ることができなかった。
卒業して数年が経ち、私は再び卒業アルバムを開くことはほとんどなかったが、偶然友人たちと集まった同窓会で、その写真の話題が再び持ち上がった。
「覚えてる?あの集合写真のやつ、めっちゃ笑ったよね。でも、やっぱり今見ても不気味だよなー。」
「そうそう、あれ、結局何だったんだろうね?」
誰もその写真の謎を深く考えることはなく、ただの笑い話として扱われるだけだった。しかし、私は同窓会が終わり、自宅に帰ってからもう一度アルバムを開いた。
その集合写真を見た瞬間、私は全身に寒気を感じた。あの日見た「歪んだ笑顔」が、さらにひどくなっていたのだ。クラスメイトたちの顔は、以前よりももっと不自然に引き伸ばされ、笑顔というよりも、何かに取り憑かれたような表情に変わっていた。
「…これは、一体…?」
私の心臓はドクドクと高鳴り、アルバムを閉じた。あの時、一時的な話題としてみんなが軽く流したことが、実は何かもっと深い意味を持っていたのではないか。今となっては、誰にも確かめる術はないが、あの笑顔が徐々に変わり続けていることを知るのは、私だけなのかもしれない。
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