卒業アルバムに書かれた謎のメッセージ…消えたクラスメイトが残した恐怖の真実とは?
高校を卒業して数年が経ったある日、私は懐かしさから卒業アルバムを開いてみることにした。友達との思い出や、文化祭、修学旅行の写真が詰まっている一冊は、高校時代の思い出そのものだ。社会人として忙しい日々を送る中、過去に戻ったような気持ちでページをめくっていた。
ふと、個人写真のページに差し掛かった時、私はある違和感を覚えた。全員がそれぞれの写真の下に、メッセージを自由に書き込んでいたが、ある一人のクラスメイトだけ、メッセージの部分が真っ白だった。
「佐々木…」
彼は決して目立つタイプではなかったが、クラスの中では特に悪目立ちすることもなく、普通に過ごしていた生徒だった。彼の写真自体は他のクラスメイトと同じように載っているが、その下のメッセージ欄が、完全に空白だった。
「なんで書いてないんだろう…?」私は不思議に思ったが、特に気に留めず、ページをめくっていった。
しかし、さらにおかしなことに気づいた。佐々木の姿は、他の集合写真やイベントのページにもほとんど写っていない。彼は確かに卒業まで一緒に過ごしていたはずなのに、クラスの記念写真や、修学旅行の写真には彼の姿がないのだ。まるで、彼だけが意図的に写らないようにしているかのように、他のクラスメイトたちの写真には彼の存在が消されていた。
気になって、同級生だった友人に連絡を取ってみた。
「なあ、佐々木ってさ、どうして卒アルにメッセージ書いてないんだろう?」と訊ねると、友人は少し戸惑ったような声で答えた。
「佐々木って、あの佐々木?…ああ、卒業式の少し前に急に転校したんだよ。だから卒アルにはあんまり載ってないんじゃない?」
「転校…した?」私は驚いた。そんな話、全く聞いた覚えがなかった。確かに佐々木はいつも大人しかったが、最後までクラスにいたはずだ。彼が転校したなんて、聞いたことがなかった。
疑問に感じた私は、さらに当時のクラスメイト数人に聞いてみたが、全員が同じように「佐々木は卒業直前に転校した」と言うのだ。
「え、でもさ…俺の記憶じゃ、佐々木は卒業までいたよな?普通に一緒に授業受けて、卒業式も出てたと思うんだけど…」私は混乱していた。
さらに奇妙なことが起こったのは、その後だった。再び卒業アルバムを開き、佐々木の写真をじっと見つめていた時、突然ページの上に「文字」が浮かび上がってきた。薄くぼんやりとしていて、最初は気づかなかったが、その文字が少しずつ濃くなり、形を成し始めた。
「助けて」
それは、はっきりと「助けて」という言葉だった。私は息を呑んだ。目をこすっても、その文字は確かにそこに浮かび上がっている。
「何だこれ…」私は恐怖で手が震えた。ページを閉じようとしたが、もう一度見直すと、今度はさらに別の言葉が浮かんできた。
「僕を忘れないで」
その瞬間、私は佐々木が最後に学校にいた時のことを鮮明に思い出した。彼はいつも教室の後ろの席で静かにしていたが、卒業式が近づくにつれて、何か言いたそうにしていたことを覚えている。だが、何も言わず、ただ去っていった。
もしかして…彼は誰かに忘れられるように消されてしまったのか?
それから私は、どうしても佐々木の存在を確認したくなり、彼の実家を訪ねてみることにした。だが、そこに住んでいた家族は、すでに引っ越しており、行方は分からないという。それ以来、佐々木のことを知る手がかりは全くなくなった。
卒業アルバムには今も、佐々木の写真が載っているが、その下のメッセージ欄は白紙のままだ。そして、時折そのページを開くと、「助けて」という言葉がぼんやりと浮かび上がってくる。
あの日、佐々木に何があったのかは、今もわからないままだが、彼がただ「消された」のではなく、何か恐ろしいことに巻き込まれていたことは間違いない。
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