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夜に動き出すペット:愛らしい行動の裏に隠された秘密 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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夜中に動き出すペットの不思議な行動…失くした大切なペンダントを届けてくれたハリネズミの秘密

一人暮らしを始めて半年が経った頃、私はハリネズミを飼うことにした。名前は「チク」。小さくて丸い体と愛らしい目をしたチクは、見るだけで心が癒される存在だった。ハリネズミは夜行性ということもあり、昼間はケージの中でよく寝ていて、夜になると元気に動き回っていた。

ある日、チクが夜中にやけにソワソワし始めた。ケージの中を動き回り、時折ケージのドアの前に立って「出たい」と言わんばかりに、前足でケージの扉をカリカリとひっかいていた。

「どうしたんだろう、チク?」と心配になった私は、夜中に何度も起きてケージの様子を見たが、特に問題があるわけではなさそうだった。それでも、夜になると毎回チクは外に出たがる様子を見せる。私はしばらく迷ったが、チクがストレスを感じているのかもしれないと思い、寝る前だけケージのドアを少し開けて、自由に出入りできるようにしてあげることにした。

「夜だけ自由にしてあげよう。お部屋の中は危なくないし、きっと探検したいんだろうな。」

そうして数日が過ぎ、チクは夜になると静かにケージの外に出て、部屋の中を自由に動き回るようになった。足音もほとんど聞こえず、私はそのまま安心して眠ることができた。朝起きると、チクはまたケージに戻っており、いつものように丸まって寝ていた。

そんな日が続いたある朝、私はいつものように目を覚まし、チクの様子を見に行った。すると、驚くべきことが起こった。チクはケージの外に出て、私のそばで小さな口に何かをくわえていたのだ。

「チク、何持ってるの?」

よく見ると、それは私がずっと失くして探していたペンダントだった。ペンダントは小さく、シンプルなデザインだが、母が大切にしていたもので、いつの間にか家のどこかに落としてしまったと思っていたものだ。

「これ…どうして…?」

私は驚きながらも、そっとチクの方に手を伸ばした。チクはそのままペンダントを私に渡してくれた。私は一瞬呆然としてしまったが、チクが優しく「見つけたよ」と言っているように見えた。

それ以来、私はチクが夜中にただ動き回っていたわけではなく、私のために何かを探してくれていたのだと気づいた。チクは、私が忙しい日々の中で忘れていた小さな大切なものを、そっと見つけてくれる存在だったのだ。

毎晩、私はチクのためにケージのドアを少しだけ開けておくようにしている。朝になると、チクは私のそばで静かに寝ているが、どこか満足そうな表情を浮かべているように見える。彼は私の大切なペットであり、静かに見守ってくれる頼もしい存在だ。

それからというもの、私は何かを失くすことがあっても、チクがそっと見つけ出してくれるような気がして、安心して過ごせるようになった。ペットはただの動物ではなく、時には私たちのために行動してくれる、特別な存在であることを改めて実感したのだ。



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