患者は、定期的に心療内科に通い、今日は特に不安に感じている夢について語る日です。部屋は静かで、穏やかなBGMが流れています。目の前には心療内科の先生が座っています。
先生:
「こんにちは。今日はどんな調子ですか?最近、また夢をよく見るとおっしゃっていましたよね。」
患者:
「ええ、そうなんです。最近、同じような不思議な夢を何度も見ていて……少し不安になってきました。」
先生:
「どんな夢ですか?よければ、詳しく教えてください。」
患者:
「ある場所にいるんです。とても大きな館で、どこも薄暗くて……窓は一つもなくて、外の光がまったく入ってこないんです。廊下は長くて、壁には古い絵がたくさんかかっていて……その絵の中の人たちが、僕を見ているように感じるんです。」
先生:
「なるほど。それは不安な感じがしますね。その館の中で、何か特別に怖いことが起きるんですか?」
患者:
「そうですね……歩いていると、誰かの気配を感じるんです。でも、振り向いても誰もいなくて。でも、その気配はどんどん近づいてくるんです。足音が聞こえるわけでもないのに、確実に何かが近づいているのがわかるんです。」
先生:
「そのとき、どんな感情が湧いてきますか?怖さや不安、それとも何か他の感情?」
患者:
「怖さと不安が混ざった感じですね。何かに追い詰められているような……でも、なぜか動けなくなるんです。足が重くて、館から逃げ出すことができないんです。目が覚めるまで、その館の中に閉じ込められたままです。」
先生:
「夢の中で、何か他に印象的なものはありますか?音や匂い、光の感じなど。」
患者:
「匂いはしませんが、音はほとんどなくて、ただ静寂が続くんです。たまに、遠くでドアがきしむ音がするんですけど……その音が聞こえるたびに、心臓がドキッとしてしまって。光も薄暗いままで、全体的にぼんやりしている感じです。」
先生:
「その館の中で、誰かと出会ったことはありますか?それとも、ずっと一人きり?」
患者:
「一度だけ、誰かに会ったことがあります。それは……僕自身なんです。廊下の奥に、もう一人の僕が立っていて、じっとこちらを見つめていました。僕はそのまま動けなくて……そのときの自分の顔は、ものすごく無表情で……冷たかったです。」
先生:
「もう一人のあなたと、何かやりとりをしましたか?その姿を見たとき、何を感じましたか?」
患者:
「何も言葉は交わしていません。ただ見つめているだけで……でも、すごく不安で恐怖を感じました。彼の目が何かを訴えているようで、でもその意味がわからなくて……何か大事なことを伝えようとしているのかもしれないのに、僕にはそれが理解できないんです。」
先生:
「興味深いですね。もう一人の自分が、何かメッセージを伝えようとしているかもしれないと感じたのですね。その後、その夢はどうなりますか?」
患者:
「その後はいつも同じです。彼がゆっくりこちらに歩いてくるんです。でも、僕は動けなくて……彼が僕に触れる寸前で、いつも夢が終わります。そこで目が覚めるんですけど、心臓がバクバクしていて……すごくリアルに感じるんです。」
先生:
「その夢を何度も見るとのことですが、何か現実の生活の中で変化やストレスが増えたと感じることはありますか?」
患者:
「そうですね……最近、仕事でプレッシャーを感じているかもしれません。新しいプロジェクトが始まって、責任が増えたのは確かです。でも、そのせいなのかはよくわかりません……。」
先生:
「それも関係しているかもしれませんね。夢は時に、私たちの無意識の感情や不安を映し出すものです。もう一人のあなたが、何かを伝えようとしているとしたら、それは自分自身に向き合う必要があることかもしれません。少し考えてみましょうか。」
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