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奇妙な製品の実験記録:田中雄介の書類整理 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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田中雄介は、書類整理の副業を続けていた。長い時間をかけて多くの書類を手に取ってきたが、その中には理解できないものや、不気味で奇妙な書類も数多く存在していた。そんな中、ある日、彼は特に異様な雰囲気を醸し出す封筒を見つけた。

その封筒は古びており、表面には「機密」とだけ大きく書かれていた。封筒の厚みから、中には複数の書類が詰まっているようだった。雄介はその封筒を手に取り、中を確認することにした。

封を開けると、中には「実験記録」と書かれた数枚のレポートが入っていた。レポートには日付や担当者の名前、そして何かの製品についての詳細な記録が綴られていたが、その製品の内容が非常に奇妙で、読み進めるうちに雄介の心は不安に包まれていった。

実験記録 001 - 製品名「レプリカ・ミラー」

日付:
9月10日

担当者:
K.山田

概要:
製品「レプリカ・ミラー」の初期テストを開始。本製品は、対象の姿を映すだけでなく、その姿の正確な複製を鏡の中に作り出す機能を持つ。実験の目的は、この鏡がどの程度まで「レプリカ」として機能するかを検証することにある。

実験内容:
被験者Aが鏡の前に立ち、1分間静止。その後、鏡に映った自分自身と向き合う。鏡の中の「レプリカ」が、被験者と同じ動きをするか確認。

結果:
初期段階では、鏡の中の「レプリカ」は正確に被験者の動きを模倣。しかし、時間が経つにつれて「レプリカ」の動きに遅れが見られ始める。実験開始から3分後、「レプリカ」が被験者と異なる動きを見せ始め、最終的には鏡の中で独自の行動を取り始めた。

備考:
被験者Aは鏡を見つめ続けている間、激しい頭痛を訴えたため、実験を中断。今後のテストでは、安全性に配慮し、より短時間での観察が推奨される。

実験記録 002 - 製品名「レプリカ・ミラー」

日付:
9月12日

担当者:
K.山田

概要:
「レプリカ・ミラー」へのさらなるテストを実施。今回は、被験者が鏡の前から離れた後も「レプリカ」がどのような動きを見せるかを検証。

実験内容:
被験者Bが鏡の前に立ち、2分間静止。その後、被験者は鏡の前から離れ、外部のモニターで「レプリカ」の動きを観察。

結果:
最初は「レプリカ」は被験者が離れた後もその場に静止。しかし、1分後、鏡の中の「レプリカ」が独自に動き出す。被験者Bが行った覚えのない仕草や、外部のモニター越しに被験者をじっと見つめる動作を確認。鏡の中の存在が、被験者とは異なる意思を持って行動していることが示唆される。

備考:
実験終了後、被験者Bは強い不安感を訴えた。また、「レプリカ」に見つめられている間、冷たい感覚に襲われたと報告。製品の使用にはさらに慎重を要する。

実験記録 003 - 製品名「レプリカ・ミラー」

日付:
9月15日

担当者:
K.山田

概要:
今回の実験では、「レプリカ」との対話を試みる。被験者Cに、鏡の中の自分と声を出して対話させることで、鏡の中の存在にどの程度の自我や意思があるのかを確認する。

実験内容:
被験者Cが鏡の前に立ち、自己紹介を含む簡単な挨拶を行う。その後、鏡の中の「レプリカ」が被験者とどのような反応を示すか観察。

結果:
鏡の中の「レプリカ」は、初期段階ではただ被験者の動きを模倣していた。しかし、被験者が話し始めると、「レプリカ」も口を動かし、音のない言葉を発するような動作を行った。音声は確認できなかったが、その後「レプリカ」が自発的に微笑む動作を見せ、被験者Cは恐怖を覚えて後退。

備考:
「レプリカ」が被験者と異なる動作を見せることが増えている。これ以上の実験は心理的負荷が高いため、当面の間中止することが推奨される。鏡の保管には厳重な管理が必要。

実験記録 004 - 製品名「レプリカ・ミラー」

日付:
9月18日

担当者:
K.山田

概要:
「レプリカ・ミラー」の異常な動作が増加していることから、製品の封印を検討。本実験では、鏡の中に残存する「レプリカ」がどのような影響を周囲に与えるかを観察。

実験内容:
被験者Dなしで、ただ鏡を観察。鏡の周囲にカメラを設置し、「レプリカ」の動作を記録。

結果:
被験者がいないにも関わらず、「レプリカ」が鏡の中で動いていることを確認。カメラには、何者かが鏡の中を歩き回る様子が映っていた。特定の対象が映っているわけではなく、無人の空間が映し出される中で、何かが鏡の中に「存在」していることが示唆された。

備考:
製品は危険と判断され、これ以上の実験は行わない。製品は封印処置がなされ、倉庫内で厳重に保管される。

雄介の反応

雄介は実験記録を読み終え、強い恐怖と不安に襲われた。この「レプリカ・ミラー」と呼ばれる製品は、ただの鏡ではなく、何か異次元的な存在と繋がっているかのようだった。実験の記録はどれも不気味で、特に最後のレポートでは、鏡の中で何かが動いているという記述に、冷たい汗が背中を伝った。

「こんなものが本当に存在するのか…?」

彼は封筒を閉じ、実験記録を元の場所に戻した。だが、鏡に映る「レプリカ」が自分とは別の意思を持って動くという恐ろしい描写が頭から離れなかった。

それ以来、雄介は仕事中に鏡を見ることに対して妙な恐怖心を抱くようになった。彼はその実験記録を二度と読み返すことはなかったが、その内容は彼の心に深く刻まれ、日常の中でふとした瞬間に頭をよぎることとなった。



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