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電話する世界を間違えました:深夜の奇妙な着信 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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それは、いつもと変わらない夜だった。僕は一日の仕事を終え、ベッドに横たわり、スマホでニュースを見たり、SNSをチェックしていた。特に異常なことはなく、ただ静かな夜が流れていく。時計は深夜1時を過ぎ、そろそろ寝ようかと画面を閉じかけたその時、スマホが突然鳴り出した。

「こんな時間に誰だ?」と思いながら、ディスプレイを確認した。

だが、画面には見慣れない、奇妙な表示があった。電話番号の部分が文字化けしており、数字の代わりに意味不明な記号やシンボルが並んでいた。「@#%」のような記号が続き、番号が全く判別できない。

「なんだこれ…?」と戸惑いながらも、好奇心に駆られて電話を取ってしまった。

「もしもし?」
返事があったが、それは奇妙な声だった。確かに日本語なのだが、何を言っているのかさっぱり理解できない。まるで、言葉の意味が歪んでいるかのように感じた。話し方は落ち着いていて、男性の声が何かを説明しているようなのだが、その内容がまるで頭に入ってこない。

「すみません、聞こえますか?」と僕は問いかけたが、相手は話を続ける。よくよく耳を澄ませると、単語一つ一つは日本語なのに、文脈が全くつながっていない。

「…音楽の海が白くなり、魚が手に握りしめた言葉を…」

意味不明な言葉が続き、僕の頭は混乱していく。「これはいたずら電話か?」と考えながら、相手が何を言おうとしているのかを探ったが、全く理解できなかった。

「ちょっと、何を言ってるんですか?」と強めに問いただしたが、相手はまた同じように意味不明な言葉を続ける。

「…道の隅で黄色い時間が走り、空が溶けて…」

頭がぐるぐるしてくる。この言葉の羅列に付き合っていると、こちらの感覚が狂っていきそうだった。僕は早く電話を切ろうと思い、「間違い電話じゃないですか?」と告げた。

すると、相手は一瞬沈黙し、しばらくして低い声でこう言った。

「…ああ、すみません。電話する世界を間違えました。」

その言葉を聞いた瞬間、背筋がぞくっとした。電話する世界を間違えた?それは「番号を間違えた」という意味ではないのか?僕は一瞬、言葉の意味を考えたが、何かが明らかにおかしいと感じた。

「世界を…?どういう意味ですか?」と尋ねたが、すでに電話は切れていた。

深夜の静寂が部屋に戻り、僕はスマホを見つめたまま動けなくなっていた。「電話する世界を間違えた」という言葉が何度も頭の中を巡る。番号ではなく、世界を?

それからしばらくスマホを確認したが、着信履歴にはその文字化けした番号すら残っていなかった。まるで、最初からそんな電話はなかったかのように。

僕は今でも、あの奇妙な電話の意味を理解できないままでいる。世界を間違えた電話とは一体何だったのか。その言葉の背後に何があったのか、今でも深夜になると時々考えてしまう。



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