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居心地の悪い部屋:何かが違う空間 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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これは、私が大学時代に借りていたアパートでの話です。引っ越し先を探している時、予算に合う物件が見つかり、内見に行ったその日すぐに契約を決めました。広さも十分で、駅からも近く、家賃も手頃だったので、何も問題がないように思えました。

引っ越しを終え、家具を配置して生活を始めたのですが、一つだけどうしても気になることがありました。それは、部屋の中でも特に一つの部屋が、どうにも居心地が悪いということでした。

その部屋は、アパートの一番奥にある小さな部屋で、日当たりはそこそこ良いのですが、入るたびに何かが違う感覚に襲われました。理由はわからないけれど、ドアを開けて中に入ると、すぐに不快感が広がって、長くその場所にいたくなくなるんです。部屋自体は普通の四角い間取りで、特に古いわけでも汚れているわけでもありません。ただ、何とも言えない圧迫感があって、居ると落ち着かないのです。

初めは気のせいだと思っていました。

「引っ越したばかりだから慣れていないんだろう」

そう自分に言い聞かせていたのですが、どれだけ時間が経っても、その部屋に入るたびに同じような不快感が消えませんでした。いつも部屋にいると、背中に冷たい風が当たるような感じがしたり、どこからともなく視線を感じたりするのです。もちろん、誰もいないし、風も吹いているわけではありません。

特に奇妙なのは、その部屋の空気の重さでした。他の部屋と比べて、なぜかそこだけ空気が重く、湿っぽい感じがするんです。窓を開けて換気をしても、なぜかその感覚は消えません。あの部屋にいると、胸が苦しくなるような圧迫感に襲われ、息苦しくなってくることもありました。

何度も「ただの気のせいだ」と自分に言い聞かせて、少しの間その部屋で過ごしてみようとしましたが、どうしても長くいることができませんでした。5分、10分と過ごすうちに、どうしても居心地の悪さが耐えられなくなり、部屋から出てしまうのです。

不思議なのは、他の友人が遊びに来た時も同じように感じていたことです。

ある日、友人が泊まりに来た際、その部屋を使わせました。私は特に何も言わずに、その部屋を提供したのですが、友人は夜中に突然私の部屋に入ってきてこう言いました。

「ねえ、あの部屋…なんか居心地悪くない?」

友人も何も特別なことは起きなかったと言っていました。ただ、部屋に入った瞬間に感じる不快感が耐えられず、眠れなかったそうです。結局、友人もリビングで寝ることにしました。その時に改めて、自分だけではないんだと実感しました。

結局、私はその部屋を使わなくなりました。物置きとして使うことにして、普段はドアを閉め切りにして、あまり近づかないようにしていました。理由ははっきりとはわかりませんが、あの部屋だけが他の空間と何か違っていたのです。

その部屋で特別な出来事があったわけではないし、誰かが亡くなったという話を聞いたこともありません。ただ、何かがあの部屋を異質な空間にしている。それが何なのか、結局最後までわからないまま、私はそのアパートを引っ越しました。

今でも、あの部屋に入る時の圧迫感と不快感は鮮明に覚えています。何もないはずなのに、あの部屋だけは確実に何かがおかしかった。



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