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金縛りと白い影:動けない恐怖の夜 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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これは、私が実際に体験した金縛りの話です。あの時のことは今でも鮮明に覚えています。

その夜、私はいつも通り自分の部屋で眠っていました。特に疲れていたわけでもなく、昼間も普通の一日を過ごしていました。いつもと変わらない夜のはずでした。しかし、あの恐怖は突然やってきました。

深夜、ふと目が覚めました。まだ寝ぼけていたので、すぐにまた寝ようとしたのですが、体が全く動かないことに気づきました。手も足も重くてまるで鉛のよう。意識ははっきりしているのに、体が一切動かせないんです。

「これが金縛りってやつか…」

金縛りには何度かあったことがあったので、最初は「またか」と思っていました。深呼吸してリラックスしようとしたのですが、何かがおかしかったんです。

部屋の空気が異様に重く、冷たく感じられた。心臓がドクドクと早鐘のように鳴り始め、胸に不安が押し寄せてきました。金縛りが解けるのを待とうとしても、なぜか恐怖感が止まらない。何かが違う。

その時、視界の端に、何か白いものが見えました。

「あれ…何だろう…」

私は目だけを動かし、白い影を確認しようとしました。確かに部屋の片隅に、ぼんやりと白い影が立っているのが見えました。それは、人の形をしていて、じっとこちらを見ているような感じでした。でも、顔はぼやけていて、はっきりとは見えない。ただ、そこに「何か」がいるという感覚だけがはっきりとわかりました。

その瞬間、全身に鳥肌が立ちました。

「これは…夢じゃない…」

私は目を閉じようとしましたが、怖くて閉じられない。目を閉じると、その影がもっと近づいてくる気がして、どうしても目を逸らすことができなかった。

その白い影は、しばらくの間、ただじっとこちらを見ているように感じました。何も言わないし、動きもしない。ただ、そこに存在しているということだけが異常に重くのしかかってきたんです。部屋の空気がさらに冷たく、重たくなり、息苦しくなっていきました。

「どうしよう…」

何とか体を動かそうと必死に足を動かそうとしましたが、全く動かない。叫ぼうとしても声が出ない。ただ、心の中で「早く終わってくれ!」と叫び続けるしかありませんでした。

そして、突然、その白い影がスーッと消えたんです。まるでそこに最初からいなかったかのように、静かに消えました。

その瞬間、金縛りも解け、私は一気に体を起こしました。全身が冷や汗でびっしょりと濡れていました。部屋の空気もいつもの感じに戻っていました。とにかく恐怖で心臓がバクバクしていて、しばらくその場から動けませんでした。

その後、明かりをつけて部屋を確認しましたが、もちろん何もない。ただ、あの白い影の存在感があまりにもリアルで、ただの夢や錯覚ではないように思えたんです。

あの夜以来、私は一人で寝るのが少し怖くなりました。金縛りにあうことはもう何度かありましたが、あの時のように白い影が現れることは二度とありません。でも、あの時感じた恐怖は、今でも忘れられない記憶として残っています。



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