怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

骸骨人形に取り憑かれた友人 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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僕たちは大学のサークル仲間で、毎年夏になると海辺のキャンプ場に泊まりに行くことが恒例だった。今年もその伝統に従い、バーベキューや花火を楽しむために海辺に集まっていた。

キャンプの前日、僕たちは近くの町を散策していた。夏の暑さを避けるように、商店街のアーケードをぶらぶら歩いていたとき、ふと古びたガチャガチャを見つけた。錆びついた機械で、景品が何なのか全く分からない。僕たちは特に期待せず、何となくコインを入れて回してみた。

「おい、何これ?」
ガチャガチャから出てきたカプセルを開けた瞬間、仲間のヒロが怪訝そうな顔をした。中から出てきたのは、小さな骸骨の人形だった。人間の骨を模したその人形は、不気味なくらいリアルで、目の部分が黒くくぼんでいた。

「なんか気持ち悪いな…」
僕は思わず顔をしかめたが、ヒロはそんなことは気にしない様子で、その骸骨人形を笑いながらポケットにしまった。

「まぁ、別にいいじゃん。お土産にするよ。」

それからしばらくして、ヒロの様子が少しずつおかしくなり始めた。キャンプ場に戻ってきた夜、バーベキューを楽しんでいる時だった。ヒロが突然、誰もいない方向を見つめて、ぼそぼそと何かを呟いていた。

「おい、どうしたんだよ?」
僕たちは不安になり、声をかけたが、ヒロは一瞬だけ僕たちに目を向けて、すぐにまた別の方向に視線を戻した。

「…あっちの方で誰かが呼んでる気がするんだよな…」

僕たちは背筋が冷たくなった。何もない暗闇の方を指差して、ヒロがそんなことを言うなんて、冗談にしても不気味すぎる。だが、本人は全くその異常さに気づいていない様子だった。

次の日も、ヒロは時々何かに話しかけるような行動を取った。何もない場所に向かって、意味不明な言葉をぼそぼそと呟いていた。さらに奇妙なのは、ヒロ自身はその行動に全く自覚がないことだった。

「お前、さっきから変なこと言ってるぞ?」
僕たちが何度も指摘したが、ヒロは「俺、何も言ってないだろ?」と全く気づいていなかった。普通ならゾッとするようなことだが、ヒロ自身は全く恐怖心を感じていない様子で、むしろ普段通りの明るい性格だった。

しかし、僕たちは次第に不安が募っていった。そして、ある夜、ついに事態はピークに達した。

僕たちは花火をしていた。打ち上げ花火や手持ち花火を楽しんでいた時、ヒロがまた例の奇妙な行動を始めた。誰もいない方向をじっと見つめ、何かを話しかけている。もう限界だった。僕たちはその骸骨人形が原因だと確信し、ついにそれをどうにかすることに決めた。

「やっぱりこの人形のせいだ。焼いてしまおう。」
友人のケンが決然とした口調で言った。ヒロは驚いて反対したが、僕たちはもう止まることはなかった。花火で焼いて、あの不気味な呪いを断ち切ろうと。

僕たちはいくつかの手持ち花火に火をつけ、その骸骨人形に次々と近づけた。すると、人形は信じられないことに、まるで生き物のようにもがき始めた。骨の形が歪み、火から逃れようと這い出した。

「こいつ、逃げようとしてる!」
「ヤバい、逃がすな!」

ケンが叫んだ。僕たちは焦り、さらに花火で骸骨人形を囲んだが、普通の花火では足りないと感じた。すると、ケンが手持ち花火の中で一番大きなものを取り出した。それは特大サイズの花火で、火力も強力だ。

「これで終わらせる!」

ケンはその花火に火をつけ、激しい火の粉が骸骨人形に降り注いだ。骸骨は必死にもがき、悲鳴のような音を立てた。

「ギィ…ギィ…」

しかし、その動きも次第に弱まり、やがて完全に止まった。骸骨は焼け落ち、最後にはただの灰となって風に吹き飛ばされた。

その瞬間、ヒロは急に元の彼に戻ったかのように、ぼんやりと立ち尽くしていた。

「何してたんだ、俺…?」

それ以来、ヒロの奇妙な行動は完全に消えた。あの骸骨人形が何だったのか、どうしてそんな力を持っていたのかは誰にも分からない。



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