その夜、僕は一人暮らしのアパートで、いつものように眠りについていた。疲れていたため、すぐに深い眠りに落ちた。しかし、真夜中、急にチャイムが鳴った気がして目が覚めた。
(こんな時間に誰だ……?)
時計を見ると、夜中の2時を過ぎている。ぼんやりとした頭でドアを見つめるが、誰も立っている様子はない。もしかしたら夢でも見たのかもしれない。僕は気を取り直し、再び布団に戻った。
目次
繰り返されるチャイムの音
再び眠りに落ちようとしたその時――ピンポーン……、今度ははっきりとチャイムの音が響いた。心臓が一気に早鐘を打ち始める。こんな時間に訪問してくる知り合いなどいるはずがない。不安と恐怖が入り混じりながら、ゆっくりとベッドから起き上がり、インターフォンのモニターを確認した。
だが、そこには誰も映っていなかった。画面にはただ無人の廊下が静かに映し出されている。
不気味な気配
「……気のせいか?」
そう自分に言い聞かせながらも、胸の不安は拭いきれなかった。再び眠ろうと布団に戻り、目を閉じたが、しばらくしてまたチャイムが鳴ったような気がして目が覚めた。今度は、はっきりと耳に残っている。
恐る恐るインターフォンを再確認したが、やはり誰もいない。ただ、モニターの画面には、見慣れない小さな影が一瞬映った気がした。気のせいだと思いたいが、画面が暗転した後もその残像が頭から離れない。
覗き穴に見える何か
もう眠れるはずもなく、インターフォンを何度も確認するが、画面には相変わらず誰も映らない。それでも廊下に何かの気配を感じ、不安に駆られてドアの覗き穴を覗き込んだ。廊下には相変わらず誰もいない――かと思ったその瞬間。
真っ黒な瞳が、覗き穴越しにこちらを見つめていた。
心臓が凍りつくような恐怖に襲われ、急いでドアから離れる。だが、チャイムはもう鳴らなくなっていた。ただ、玄関の方から微かに何かがすり抜けるような音が聞こえるだけだった。
消えない気配
それから数日経った今も、夜になると玄関の前から何かの気配を感じる。インターフォンの画面には誰も映らないが、夜中になると一瞬だけチャイムが鳴ることがある。音がするたびに、覗き穴を覗く勇気はもうないが、あの真っ黒な瞳がまた僕を見つめているような気がしてならない。
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