その夜、僕は深い眠りの中にいた。ベッドの中でゆっくりと夢を見始めた矢先、チャイムが鳴った気がして、はっと目が覚めた。
(……こんな夜中に?)
時計を見ると、深夜2時を過ぎている。こんな時間に訪ねてくる知り合いはいないし、寝ぼけていただけだろうと思い、もう一度布団をかぶって目を閉じた。
目次
二度目のチャイム
再びうとうとし始めたその時、再びチャイムの音が耳に響いた気がして、僕は飛び起きた。確かに今、インターホンのチャイムが鳴ったはずだ。何かが胸に引っかかり、不安を感じつつも、インターホンのカメラを確認しに行くことにした。
インターホンに映る不気味な姿
インターホンのモニターのスイッチを入れると、モニターには女性が立っている姿が映し出された。彼女は白い服を着て、暗い髪の毛が顔の半分を隠している。その表情は、はっきりとは見えないが、どこか冷たく無表情だ。
「……誰だ……?」
彼女がここにいる理由がわからず、僕はじっとモニターを見つめた。画面越しに女性を観察していると、彼女の視線がまっすぐカメラの方向に向けられているように見える。
その瞬間、鳥肌が立ち、恐怖で手が震えた。僕はインターホン越しに「どちら様ですか?」と声をかけようとしたが、声が喉に引っかかり、言葉が出てこない。
急に消えた女性
僕はただ、モニターに映るその女性の姿を見つめることしかできなかった。やがて彼女がゆっくりと、口元をわずかに動かした気がした。何かを呟いているのか、それとも無言のまま僕を見つめているのかはわからない。視線をモニターから逸らせないまま、恐怖に凍りついていると――
パッ!
突然、画面から女性の姿が消えた。僕は息を呑んだまま、画面に食い入るように目を凝らしたが、モニターには誰も映っていない。廊下はただの無人の空間だ。
胸の鼓動が高まり、頭の中が真っ白になった。息を整えながら、もう一度カメラの切り替えボタンを押して、周囲を確認する。しかし、どこにも人影は映っていなかった。
忘れられない不気味な記憶
その後、僕はベッドに戻ろうとしたが、どうしても眠ることができなかった。何度もモニターを確認し、廊下の様子を伺ったが、あの女性は二度と現れなかった。けれど、あのインターホンに映った不気味な姿と、その瞬間の恐怖が頭から離れず、今も夜になると、ふとした時にチャイムの音が聞こえた気がするような錯覚に襲われる。
あの夜、モニターに映った女性は一体誰だったのか――その謎は未だに解けないままだ。
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