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真夜中のチャイムと女性 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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深夜のチャイム

主人公のナオは、仕事で疲れ果ててベッドに潜り込み、すぐに眠りに落ちた。夜中、ふと目が覚めた瞬間に、チャイムが鳴った気がする。

「……こんな時間に誰だろう……」

時計を見ると午前2時を回っている。ナオは一瞬、不安がよぎったが、「疲れていて、気のせいかも」と思い、再び目を閉じた。

しかし、再びうとうととし始めた時、再び「ピンポーン」とチャイムの音が聞こえたような気がした。頭の奥で微かに響くような、はっきりとした音だった。

「まさか……」

ナオは不安を振り払おうとしたが、どうしてもその音が気になってしまい、仕方なくインターホンのカメラを確認しに向かった。

不気味な女性

ナオがインターホンの画面を確認すると、薄暗い映像の中に人影が映っていた。画面には、ややうつむき加減の女性が立っている。長い髪が顔にかかり、無表情でじっとこちらを見ているようだ。

「誰……?」

ナオは恐怖で指先が冷たくなり、思わず息をのんだ。画面越しに伝わってくるその不気味な気配に背筋が凍りつく。

「こんな時間に、何の用だろう……」

不審に思いながらも、ナオはインターホンの通話ボタンに手を伸ばそうとしたが、ふとその女性の顔が少しずつこちらに向いているように見えた。いや、実際には変わらないのだが、視線がジリジリと迫ってくるように感じる。

ナオはもう一度画面を見直そうとした、その瞬間――

消えた訪問者

パッと、画面の中から女性の姿が突然消えた。息を飲む間もなく、そこにはもぬけの殻のように誰もいない玄関前が映っている。ほんの一瞬前まで、確かに女性が立っていたはずなのに。

ナオはインターホンから手を離し、一歩後ずさった。不気味な気配に鳥肌が立ち、急いで寝室に戻り布団を被ったが、胸の鼓動は激しく、恐怖で体が震えた。

その夜、ナオは眠れないまま朝を迎えた。以来、深夜のチャイムが鳴ることはなかったが、玄関のインターホン画面に不気味な女性が映る光景が、今でも頭から離れないのだった。



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