古いアパートの一室。夜になると、廊下の奥から物音が聞こえてくる。最初は気のせいかと思っていたが、日に日にその音は大きくなり、種類も増えていった。
最初は、何かが壁を擦るようなかすかな音だった。それが、足音が加わり、物体が転がるような音が聞こえるようになった。恐怖に震えながら、私は何度も廊下に出てみたが、何も見つけることはできなかった。
ある夜、いつもより大きな物音が聞こえた。勇気を振り絞って廊下に飛び出すと、影が壁に映っていた。人の影のように見えたが、どこか形が歪んでいる。ゆっくりとこちらに向かってくるその影に、私は心臓が止まりそうになった。
恐怖に駆られ、部屋に戻ろうとしたその時、影が突然、私の足元に現れた。うつむくと、影は私を見つめていた。その目は真っ黒で、どこまでも深い闇が広がっているようだった。
絶叫をあげ、私は部屋に飛び込んだ。ドアを閉め、鍵をかけ、布団に顔をうずめた。しかし、その影はドアの外で、ずっと私を見つめているような気がした。
それからというもの、私は毎晩、その影に悩まされるようになった。睡眠薬を飲んでも、眠ることができなくなった。精神的に追い詰められ、私はこのアパートを出ていこうと決意した。
引っ越し当日、荷物を運び出すために部屋を出ると、廊下の壁には何もなかった。しかし、私の心には、あの影が焼き付いていた。
新しい部屋に移っても、私はあの影を忘れることができずにいた。夜になると、またあの廊下の影が目に浮かぶ。そして、私は気がついた。あの影は、私の中に住み着いてしまったのだ。
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