怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

最後の通知 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

高校生の翔太はスマホが手放せない生活を送っていた。SNSに投稿された些細な出来事や友達からのメッセージ通知が、彼にとって日常の全てだった。

そんな彼のスマホに、ある夜、見慣れないアプリの通知が届いた。それは彼の人生を一変させる、奇妙で恐ろしい出来事の始まりだった。

【謎のアプリ】

夜中の1時。布団の中で動画を見ていた翔太は、突然スマホが振動するのを感じた。画面には「Echo」というアプリからの通知が表示されていた。

「初めまして。あなたの1日を記録します。」

「Echo」というアプリをインストールした覚えはない。不気味に思ったが、眠気に負けてそのまま放置した。

翌朝、目が覚めるとスマホにまた通知が届いていた。

「昨日の記録:23時45分、動画を視聴。0時30分、寝落ち。」

内容は正確だった。怖さを感じた翔太はすぐにアプリをアンインストールしようとしたが、なぜかスマホの画面に「Echo」とアプリは表示されていない。

【エスカレートする記録】

その日から「Echo」の通知は続いた。最初は日常の些細な行動を記録する内容だったが、次第に翔太が意識していない瞬間まで詳細に記録されるようになった。

ある日の通知:
「22時15分:冷蔵庫を開ける。22時20分:背後に気配を感じる。」

「気配」などという曖昧な内容に驚き、翔太は後ろを振り返ったが、何もいなかった。ただ、その瞬間、自分が誰かに見られているような気がしてならなかった。

【予知される未来】

さらに数日後、通知内容は「記録」から「予告」に変わった。

その夜届いた通知:
「明日、午前7時45分、落下事故。」

恐怖に駆られた翔太は翌朝、ベッドから起きると同時に細心の注意を払った。事故など起こさないよう慎重に行動し、部屋を出る直前、スマホを手に取った瞬間、手が滑りスマホが床に落ちた。画面にひびが入った。

通知は正しかった。

【最期の通知】

その夜、「Echo」からの通知が再び届いた。
「明日、23時30分、最終記録。」

「最終記録」とは何を意味するのか。翔太は耐えられなくなり、スマホを無理やり初期化した。これで終わるはずだと信じた。

しかし、その翌日、時計の針が23時30分を指した瞬間、翔太のスマホが突然振動し、画面が真っ暗になった。そして、画面には最後の通知が表示された。

「記録完了:23時30分、終わり。」

その後、翔太は部屋から消えていた。スマホだけが残されており、画面にはただ一言だけ。

「次の記録者を探しています。」

【エピローグ】

スマホに「見覚えのない通知」が届いたら注意してください。それが「Echo」からの通知ならば、あなたも記録され始めているかもしれません。そして、その記録が「最終記録」になる前に手を打つ方法は、まだ誰にもわかっていないのです。



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