目次
【プロローグ】
会社員の悠斗は、ここ最近、奇妙な夢を毎晩見るようになっていた。
夢の中では見知らぬ街を歩き、そこにいる人々と何気ない会話を交わす。初めて見る場所のはずなのに妙に懐かしく、夢の中の人々も現実には会ったことのないはずなのに親しみを感じていた。
最初は「面白い夢だ」と思っていたが、それが現実に影響を及ぼすとは思いもしなかった。
【夢が現実に現れる】
ある日、夢の中で見た女性が現実世界に現れた。
通勤途中、電車の中でふと目に入ったその女性は、夢の中でカフェで話をした人そのものだった。
「偶然かな…」
そう思っていたが、それ以降、夢で出会った人物が次々と現実でも現れるようになった。夢の中で助けた迷子の少年が街角に立っていたり、夢の中で道を教えた老人が現実の公園に座っていたりする。
「夢と現実が繋がってる…?」
悠斗は不安になりつつも、その現象を楽しむ自分もいた。
【夢の中の出来事が現実に】
次第に夢の中で起こった出来事が、現実に影響を及ぼすようになった。
夢の中で、ある男性と喧嘩になり、突き飛ばした。その翌日、ニュースでその男性が階段から転落し、重傷を負ったことを知った。
「まさか…俺が夢でやったことが現実に?」
それが偶然ではないことを確信したのは、夢の中で出会った猫を抱き上げた翌朝、その猫が自宅の前にいた時だった。
【夢の中で犯した罪】
ある夜、夢の中で悠斗は自分が見知らぬ家にいることに気づいた。そこには見覚えのある人物がいた。それは、これまで夢や現実で何度もすれ違った人々が集まった家だった。
「お前のせいだ。」
「俺たちはここから出られないんだ。」
彼らの声が次第に怒りに変わり、悠斗を責め立てる。
夢の中の悠斗は恐怖から、そこにあったランプを手に取り、反射的に振り回した。物が壊れ、炎が上がる。その家は燃え広がり、彼らの悲鳴が響き渡った。
【現実の罪】
翌朝、悠斗は目を覚ますと、妙な焦げた匂いが部屋に漂っていた。
テレビのニュースでは「市内の古い一軒家が火事で全焼した」と報じられていた。その場所は、夢の中で見た家と一致していた。
「いや、俺がやったわけじゃない…夢だ、ただの夢だ…!」
だが、火事現場から悠斗の指紋がついた物品が見つかったと警察から知らせが来た時、彼の恐怖は頂点に達した。
【夢の中からの追及】
その夜、再び夢の中に現れたのは、火事で亡くなった人々だった。彼らは焦げた衣服を身にまとい、悠斗を責めた。
「お前がやったんだ。」
「夢だからって、許されると思うな。」
彼らの手が悠斗に伸びる。その瞬間、現実世界で悠斗の息が詰まり始めた。
【エピローグ】
翌朝、悠斗の部屋で彼が息絶えているのが見つかった。顔には恐怖の表情が張り付いており、彼の手元には「夢」とだけ書かれた紙が残されていたという。
もしあなたが毎晩同じ夢を見るようになったら、そこに現れる人々には注意してください。夢で起こした行動が、現実でもあなたに返ってくるかもしれないのです。
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