目次
古本屋で出会った一冊の本
ユウキは、週末に近所の古本屋を訪れるのが好きだった。その日は特に目的もなく店内を歩き回り、一冊の古い洋装の本に目が留まった。
「なんだかいい雰囲気の本だな。」
手に取ると、表紙には小さな傷やシミがあり、ページも少し黄ばんでいる。値段も手頃だったため、ユウキはその本を購入することにした。
本に挟まれた古い写真
家に帰り、コーヒーを片手に本を開いてみると、何かがページの間に挟まっているのに気づいた。
「なんだろう?」
そっと取り出してみると、それは古びた写真だった。セピア色の写真には、若い夫婦と小さな子供が写っている。背景は、どこか見覚えのある田舎の風景だ。
「これ……うちの家族?」
ユウキは写真をよく見ると、若い頃の両親と幼い自分の姿が写っていることに気づいた。驚きとともに胸が熱くなった。
本が巡り巡って戻ってきた理由
写真を持って実家に行き、母に見せると、母も驚いた表情を浮かべた。
「この本、昔お父さんが大事にしてた本じゃない!でも、引っ越しの時にどこかに行っちゃったのよね。」
どうやらその本は、長い間どこかを巡り、古本屋に流れついていたらしい。そして、何十年もの時を超えて、ユウキの手元に戻ってきたのだ。
「本が帰ってくるなんて……不思議な縁ね。」
母の言葉にユウキも頷いた。
山で見つけたポストカード
数日後、ユウキは近くの山を散策していた。その山は、父がよく話していた昔の思い出の場所だった。
ふと足元を見ると、草むらの中に何かが落ちている。古びたポストカードだった。
ポストカードには手書きのメッセージが書かれている。
「いつかまた、この場所で会えることを願っています。」
日付を見ると、何十年も前のもので、差出人の名前には父の名前が書かれていた。
ポストカードの送り先を探す
ユウキは家に帰り、ポストカードの宛名を頼りに調べてみた。その宛名には、父が若い頃に付き合っていた女性の名前が書かれていた。
「これ、本当に父さんが出そうとしてたのか?」
住所を検索すると、意外なことに、その女性はまだその近くに住んでいることがわかった。
再会のきっかけ
ユウキは少し迷ったが、思い切ってその女性を訪ねた。玄関先に現れたのは、温かい笑顔を浮かべた年配の女性だった。
「このポストカードを見つけたんですが……。」
ユウキがポストカードを差し出すと、女性は目を丸くして驚き、その後懐かしそうに微笑んだ。
「このカード……きっと届かずにずっと眠っていたんですね。」
彼女は、ポストカードが父からのものだとすぐに気づいた。
過去と現在の繋がり
その後、ユウキは父とその女性の再会を手伝った。二人は久しぶりに思い出話をし、笑い合っていた。
「不思議ね、本もポストカードも、時を超えて戻ってきたみたい。」
父がそう言うと、ユウキも頷いた。
「きっと何か意味があったんだよ。」
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