目次
【プロローグ】
大学生の翔太は、久しぶりに高校時代の親友・達也と再会した。2人は互いの近況を話しながら、深夜まで飲み明かした。
帰り際、達也が「近道だから」と言って乗ったバスの行き先が、翔太の頭に引っかかっていた。
「終電なんてとっくに過ぎてるのに、バスなんて動いてるのか?」
達也が乗り込んだのは、真っ黒な車体の深夜バスだった。翔太が路線名を見ようとしたが、バス停には何も書かれていない。
【友人の失踪】
翌日、翔太が達也に連絡を取ろうとしたが、電話は繋がらず、LINEも既読にならない。
「昨日のバス、どこに行ったんだ?」
不安になった翔太は、達也の家を訪れた。しかし、家族は「昨日は帰ってきていない」と答えるばかりだった。
その夜、再びあのバス停に行ってみると、同じ真っ黒なバスが停まっていた。
「これだ…」
【バスに乗り込む】
翔太は意を決してバスに乗り込んだ。運転手は無表情で、行き先を尋ねても答えない。ただ、車内には数人の乗客が座っており、皆うつむいて黙り込んでいた。
バスが動き出すと、外の景色が次第に不気味な雰囲気に変わっていった。街灯が消え、窓の外は真っ暗闇に包まれる。
その時、座席の後ろから声が聞こえた。
「翔太…?」
振り返ると、そこには疲れ切った顔をした達也が座っていた。
【異世界の入り口】
「達也!どうしてここに?」
達也は小さな声で答えた。
「昨日、このバスに乗ったら、気がついたら別の場所にいたんだ。ここは…異世界みたいな場所だよ。」
翔太が詳しく聞こうとした瞬間、バスが急停止した。運転手が無言で立ち上がり、乗客たちを外に誘導し始めた。
バスから降りると、目の前には見たことのない光景が広がっていた。朽ち果てた建物と、青白い光を放つ空。人の気配はなく、不気味な静寂が漂っている。
【戻る方法】
達也は震えながら言った。
「ここに来た人は、もう戻れないって言われてる。でも、翔太が来たなら一緒に出口を探せるかもしれない。」
2人は手分けして異世界を彷徨い歩いた。道中、奇妙な影が遠くに見え、追われているような気配を感じた。
「ここに長くいると、どんどん記憶が薄れていくんだ。俺も昨日まで何をしてたのか、もうよく覚えていない…」
【脱出への賭け】
しばらく進むと、再びバスが停まっているのを見つけた。しかし、運転手はおらず、車内も無人だった。
達也は迷った末に言った。
「このバスに乗るしかない。でも、乗れるのは1人だけらしい。」
翔太は躊躇したが、達也が続けた。
「お前が戻って、このことを誰かに伝えてくれ。俺は大丈夫だから。」
【友人の決断】
翔太が渋る中、達也は無理やり彼をバスに押し込んだ。ドアが閉まり、バスが動き出す。窓越しに達也の姿が小さくなるのを見ながら、翔太は涙を堪えた。
気がつくと、翔太は元のバス停に戻っていた。
【エピローグ】
翔太は何度もあのバス停に通ったが、二度とあのバスを見ることはなかった。そして達也が戻ってくることもなかった。
時折、夢の中で達也が微笑む姿を見るたび、彼を救えなかったことへの後悔が胸を締め付ける。
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