目次
深夜の学校に戻る理由
マサキは、高校の文化祭準備委員として遅くまで学校に残ることが多かった。
その日も、放課後に友人たちと装飾の準備をしていたが、予定より遅れてしまい、気づけば夜の10時を過ぎていた。
「そろそろ帰ろう。」
友人たちと帰り支度をして校門まで行く途中、マサキは大事な荷物を教室に忘れたことに気づいた。
「先に帰ってて。俺、ちょっと取りに戻るから。」
仲間にそう言い残し、マサキは夜の学校に一人戻ることにした。
静まり返った校舎
夜の学校は昼間とは全く違う雰囲気だった。蛍光灯の明かりは冷たく、廊下に響く自分の足音がやけに大きく感じられる。
マサキは3階の教室に向かう途中、ふと奇妙な音を聞いた。
「コツ……コツ……」
廊下の奥から足音が聞こえる。
「……誰かいるのか?」
声をかけても返事はない。目を凝らして良く見てみたが、そこには誰もいなかった。
教室で見た“何か”
教室に戻り、忘れた荷物を手に取ったマサキは、帰り道で再び足音を聞いた。
「コツ……コツ……」
今度は廊下の真ん中あたりから聞こえる。誰かが歩いているのかもしれないと思い、勇気を出して足音の方へ向かうと――廊下の突き当たりにある窓の向こうに、白い影が見えた。
「……人?」
影は一瞬動いたように見えたが、次の瞬間には消えていた。
誰もいないはずの場所で
気味が悪くなり、マサキは急いで校舎を出ようとした。その時、別の廊下の方から声が聞こえた。
「……助けて……。」
囁くような声だったが、確かに聞こえた。
「誰だ!?」
マサキは声のする方に向かい、音楽室の前で足を止めた。中を覗くと、真っ暗な教室の中に誰かが立っているように見えた。
「君、こんな時間に何してるんだよ!」
勇気を振り絞って話しかけたが、返事はない。マサキが一歩踏み出すと、影はスッと窓際に移動し、音もなく消えた。
最後の足音
恐怖を感じたマサキは急いで校舎を出た。校門を抜け、ほっと息をついた瞬間、背後から再び足音が聞こえた。
「コツ……コツ……」
振り返ると、校舎の3階の窓に人影が立っているのが見えた。それは確かに、自分が先ほど見た影と同じだった。
後日談
翌日、マサキは友人たちに昨夜の出来事を話した。すると、一人の友人がこう言った。
「3階の窓に立つ影の話、聞いたことあるよ。それ、昔この学校で亡くなった生徒が出るって噂だろ?」
友人の言葉にマサキはゾッとした。
その後、マサキは夜の学校に一人で入ることは二度となかったとい
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