目次
プロローグ
人生には、時を超えて巡り会うものがある。ある人が山で見つけた一枚のポストカードが、再び二人の人生をつなげた奇跡の物語――。
第一章:山での発見
主人公の悠太(ゆうた)は30代のアウトドア好きな男性。休日にはよく山を散策し、自然の中でリフレッシュするのが趣味だった。
その日も近くの山を歩いていた悠太は、ふと道端に何かが落ちているのを見つけた。それは、古びたポストカードだった。
「こんなところに……?」
拾い上げてみると、それは色褪せてはいたものの、美しい山の風景が描かれたもので、裏には手書きのメッセージが書かれていた。
「君に伝えたいことがたくさんあるけれど、まずはこの景色を一緒に見たいと思ったんだ。――直樹」
日付を見ると、今から50年以上前のものだった。
第二章:消えた手紙
「誰かの落とし物か……いや、こんな古いものがどうしてここに?」
悠太は不思議に思いながらも、ポストカードを持ち帰った。気になった悠太は、家で「直樹」という名前とこの山の近くの情報をネットで調べてみることにした。
すると驚いたことに、そのポストカードの宛先に書かれていた名前「綾子」と思われる人物が、まだこの山の近くに住んでいるらしいことがわかった。
「これ、本当にあの人に届かなかった手紙なのか?」
悠太は興味を抑えきれず、思い切ってその住所を訪れることにした。
第三章:再会の扉
数日後、悠太はポストカードを手に、その住所を訪ねた。そこには一軒の古い木造の家が建っていた。インターホンを押すと、しばらくして白髪の女性が顔を出した。
「すみません、突然お邪魔して。このポストカードについてお聞きしたいんです。」
悠太がポストカードを差し出すと、女性――綾子は一瞬驚いた表情を浮かべ、その後静かに涙を流した。
「……この手紙、直樹さんの……。」
第四章:届かなかった思い
綾子の話によると、直樹は彼女の若い頃の恋人だったという。二人はこの山で何度もデートを重ねたが、直樹は仕事の都合で遠くの町に引っ越し、その後自然に連絡が途絶えてしまった。
「でも、このポストカード……私は受け取った覚えがないわ。」
それは、直樹が出すつもりで出せなかった手紙だったのだろう。もしくは、何かの偶然で山に落ち、そのまま眠っていたのかもしれない。
綾子はポストカードを手に取り、じっと見つめながら言った。
「この手紙がここにあるということは……直樹さんがきっと、何かを伝えたかったのかもしれないわね。」
第五章:再びつながる縁
悠太はさらに調べ、直樹が現在も生存している可能性があることを突き止めた。綾子の了承を得て、彼の住所を探し出し、二人をつなぐ役目を果たすことにした。
数週間後、直樹と綾子はついに再会を果たした。お互いに白髪になり、長い年月を経た姿になっていたが、笑顔を浮かべて語り合う姿は、どこか若々しさを取り戻していた。
第六章:新たな交流
その後、二人は頻繁に連絡を取り合うようになり、悠太も時折彼らの集まりに顔を出すようになった。
「あのポストカードがきっかけで、またあなたに会えた。きっと山が私たちをつなげてくれたんだね。」
綾子の言葉に、直樹は静かに頷きながら微笑んだ。
結末
届くことのなかった一枚のポストカード。それは、長い時を超えて、二人の人生を再び交差させるために山で眠り続けていたのかもしれない。
悠太はそんな二人の姿を見て、思った。
「人生って、やっぱり不思議な巡り合わせがあるもんだな。」
山で見つけた一枚の手紙――それは、ただの紙切れではなく、時を超えた奇跡の物語の始まりだった。
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