怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

新しい公園に漂う奇妙な静けさ 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

郊外の住宅街に、新しく公園が完成した。広い敷地には芝生が敷き詰められ、最新の遊具が揃い、きれいな遊歩道まで整備されている。その上、夜間でも利用できるように明るい街灯が設置され、住民たちは大いに期待していた。

しかし、開園してからしばらくすると、誰もその公園に近寄らなくなった。

「何だか、気味が悪いわね。」
「最近、あそこで遊ぶ子供を見かけないな…」

住民たちの間では、噂がささやかれるようになった。その公園で奇妙な現象が起きているという。

【主人公の興味】

その噂を聞きつけた主人公の浩二は、興味本位でその公園を訪れることにした。休日の午後、天気は良く、普通なら子供たちが遊び回るはずの時間帯だ。

しかし、公園に近づくにつれて、違和感が募る。

「こんなに静かだったか…?」

鳥のさえずりが一切聞こえない。いつもならどこからか聞こえる犬の鳴き声や、人々の話し声さえも、この公園の周囲では聞こえてこなかった。

【枯れた植物】

公園のゲートをくぐると、さらに奇妙なことに気づいた。

整備されたばかりのはずの花壇の花が、すべて枯れている。芝生も茶色く変色し、まるで何年も手入れがされていないようだった。

「開園したばかりのはずだよな…?」

さらに、公園の奥に進むと、遊具の表面には薄く埃が積もり、どこにも人が触れた形跡がない。滑り台やブランコは新品のはずなのに、異様に錆びついている。

【奇妙な気配】

浩二は遊歩道を歩きながら周囲を見渡していたが、次第に背中に視線を感じ始めた。

「誰かいるのか…?」

振り返っても誰もいない。それでも、その視線の感覚はどんどん強くなり、呼吸が浅くなっていく。

さらに進むと、遊具の端にあるベンチが目に入った。そのベンチには、古びた人形が座っていた。

【人形の異変】

人形は、よくある布製のもので、特に目立った特徴はない。ただ、奇妙なのは、その人形がベンチの端にきっちりと座っていることだった。

「誰かが忘れていったのか…?」

浩二が人形に近づいた瞬間、どこからかかすかな声が聞こえた。

「帰れ…」

「誰だ!」

浩二は周囲を見回したが、相変わらず公園には誰もいない。恐る恐る人形に手を伸ばそうとすると、次の瞬間、滑り台がギギギ…と音を立てて揺れ始めた。

【帰り道での異変】

浩二は恐怖に駆られ、公園から逃げ出した。走ってゲートを抜け、街中に戻ると、ようやく普通の喧騒が耳に戻ってきた。

「なんだったんだ…?」

自宅に戻り、落ち着こうとソファに腰を下ろした。しかし、ふと視線を感じて振り返ると、リビングの隅に公園で見たはずの人形が置かれていた。

【エピローグ】

それ以来、浩二はあの公園に近づくことはなくなった。しかし、近所では相変わらず「あの公園に入った人は、何かを持ち帰る」と噂されている。

もし新しい公園に行く際は、周囲の静けさに注意してください。その場所には、あなたの知らない存在が潜んでいるかもしれません。



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