目次
突然届いた奇妙なメール
アキラは普通の会社員だ。日々のルーティンとして、朝の通勤電車の中でスマホのメールチェックをしていた。
そんなある日、見覚えのないアドレスから一通のメールが届いた。
件名は「知っていますか?」というシンプルなものだった。
中身はさらに奇妙だった。
「昨日、あの場所で見たことは忘れなさい。知らなかったことにしておくべきです。」
「何これ、スパム?」
明らかに自分には関係ない内容だったが、不気味な違和感が残った。
迷惑メールが増えていく
最初は気にしていなかったアキラだが、数日後、再び同じようなメールが届いた。
「私たちはあなたが何をしたか知っています。」
今回はより具体的なトーンだったが、もちろんアキラには心当たりはない。
「悪質な迷惑メールだな……。」
そう思いながらも、文章がどこか本物らしい緊張感を持っていて、読み終わった後に背筋がぞくりとした。
メールの内容がエスカレート
それから数週間、似たような迷惑メールが定期的に届くようになった。
「証拠はすべて揃っています。早く自首してください。」
「逃げられると思わないことです。」
どのメールも、あたかもアキラが何か重大な罪を犯しているかのような内容だった。
アキラには全く心当たりがないのに、メールの文面がどこかリアルで、読んでいると妙な焦りを感じてしまう。
不気味な具体性
ある日、さらに奇妙なメールが届いた。
「昨日、23時頃の○○駅付近の防犯カメラに映っていたあなた。あの時間にそこにいた理由を説明してください。」
その日は確かに、アキラは○○駅を通って帰宅していた。しかし、何も問題のあることはしていない。
「偶然の一致か?」
そう考えようとしたが、メールの送信元は依然として不明で、誰が何の目的で送ってきているのかが全くわからなかった。
一方的な裁き
メールの文面はどんどん強い口調になり、最終的には断罪するような内容になった。
「証拠は提出しました。あなたはもう逃れられません。」
「これで終わりです。後悔するがいい。」
アキラは怖くなり、メールのアドレスをフィルタリングしようとしたが、別のアドレスから同じような内容のメールが届き続ける。
最後のメール
そしてある日、メールが途絶えた――かのように見えた。
それからしばらく経ち、もう安心だと思い始めた頃、再び不気味なメールが届いた。
「警告したのに、何も変わりませんでしたね。」
その一文だけが書かれていた。
消えない恐怖
それ以来、メールはぱたりと届かなくなったが、アキラの心にはずっと不気味な影が残った。
まるで誰かにずっと見られているかのような感覚。
そして今でも、メールフォルダを開く度に不安がよぎる。あの奇妙な迷惑メールは、いつまた届いてもおかしくない――そう思わずにはいられないのだ。
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