「夢で未来を見た」と言えば、オカルト好きの作り話だと笑われるかもしれません。私自身、そんな非科学的なことを信じるタイプではありませんでした。
けれど、今でもあの時の出来事だけは、どう考えても偶然では片づけられないのです――それはまさに「生死を分ける選択」を夢が教えてくれた話です。
目次
きっかけは不思議な夢
あれは数年前、私が大学生の時のことでした。
その夜、妙にリアルな夢を見たんです。
場所は見慣れた交差点。薄暗い時間帯で、雨が降っていました。私は傘をさして信号待ちをしています。
青になったからといって、何気なく道を渡ろうとした瞬間――
「待て!」
誰かの声が耳元に響き、私は思わず足を止めました。
次の瞬間、目の前をトラックが猛スピードで横切ったのです。
目が覚めた私は、心臓がバクバクしているのを感じました。
「……何だ、夢か。」
そう自分に言い聞かせましたが、その夢は妙に現実味があり、頭の片隅に強烈な印象を残しました。
同じ場面が現実に
それから数日後、大学帰りに友人と遊んだ帰り道のことです。
日も沈み、あたりは薄暗く、ぽつぽつと雨が降り始めていました。
私は傘をさしながら、いつもの交差点に差し掛かりました。
――その瞬間、夢とまったく同じ光景が目の前に広がったのです。
「……え?」
信号は青に変わり、周囲の人たちは何も疑わずに道を渡っていきます。
けれど、私は夢で見たシーンを思い出して、足がすくんで動けなくなりました。
「待て!」――あの声が頭の中で鳴り響きます。
数秒後の現実
立ち止まった私の目の前を、トラックが猛スピードで突っ切りました。
その瞬間、渡り始めていた数人が驚いて後ずさり、何事かと交差点が一瞬騒然となりました。
夢で見た光景と寸分違わぬ出来事――もし、あの夢を見ていなければ、私は間違いなくトラックの前に飛び出していたでしょう。
震える手で傘を握りしめながら、私は立ち尽くしました。
「夢……だったんだよな。」
あれ以来、夢を見ることはない
それからというもの、私は怖いほど慎重に生活するようになりました。
「あの夢は偶然か? それとも何かが教えてくれたのか?」
何度考えても答えは出ません。
けれど、不思議なことに、あれ以来そんな「予知夢」のようなものを見ることは一度もありません。
もしかしたら、あの一度きりの夢は、私の人生を守るために現れた、何か特別なものだったのかもしれません。
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