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スピリチュアルな夢と消えたあの人――不思議な体験 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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スピリチュアルな出来事なんて、信じていなかった私が体験した、少しだけ不思議で奇妙な話をお届けします。

何度も見る「同じ夢」

その出来事は、私が仕事で心身ともに疲れ切っていた頃に始まりました。

ある日を境に、私は毎晩「同じ夢」を見るようになったのです。

その夢には、薄暗い森の中に古びたベンチがポツンと置かれていました。そこに、一人の女性が座っているのです。

彼女は長い髪を風に揺らしながら、遠くを見つめています。私が近づこうとすると、必ずその女性は静かに立ち上がり、森の奥へと消えていく――。

ただそれだけの夢です。

夢と現実のつながり

最初はただの疲れだろうと考えていました。しかし、奇妙なのはその夢を見た翌日です。

いつも夢に出てくるベンチと森の風景に「見覚えがある」ような気がしてならないのです。

ある休日、なんとなく散歩に出かけた私は、気づけば近所の大きな公園に来ていました。

公園の奥に進むと、目の前に見慣れた景色が広がっていました――そう、夢に出てきた古びたベンチがそこにあったのです。

彼女との出会い

驚きながらも、ベンチに近づき、周囲を見渡してみましたが、誰もいません。

「ただの偶然だよな……」

そう思いながらベンチに腰掛けると、不思議と心が落ち着く感覚がありました。

しかし、その瞬間、耳元でかすかに女性の声が聞こえた気がしました。

「ありがとう……」

ハッとして周囲を見回しましたが、やはり誰もいません。

不思議な手紙

その日を境に、夢を見ることはなくなりました。しかし、数日後、不思議な出来事が起こります。

家のポストに、差出人不明の手紙が入っていたのです。

中には一枚の紙切れと、古びた写真が入っていました。

紙にはこう書かれていました。

「あの場所に来てくれてありがとう。やっと休めます。」

そして写真には、あのベンチと、その前に座る女性が写っていました。

写真の女性は、夢で見たあの人にそっくりでした。

それから

その手紙以来、あの夢を見ることはありません。あの女性は誰だったのか、なぜ私の夢に現れたのか、今でも分かりません。

ただ、彼女の「ありがとう」という言葉が心に残り、少しだけ温かい気持ちになったのも事実です。

もしかしたら、何か理由があって彼女は「誰か」を待っていたのかもしれません。



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