目次
プロローグ
人生で一度だけ、何でも答えを教えてくれるアイテムがあったら、あなたは何を聞くだろうか?
私は、そんな不思議な本を手に入れたことがある。それは、一度だけ質問に答え、私の運命を大きく動かした――しかし、その本はもう手元にない。
第一章:偶然の出会い
それは、古びた古本屋での出来事だった。
仕事帰り、ふらりと立ち寄った店内を歩いていると、埃をかぶった一冊の本が目に留まった。
表紙には何も書かれておらず、装丁も傷んでいる。ただ、不思議な引力のようなものを感じ、気づけば手に取っていた。
ページを開くと、一行だけ文字が書かれていた。
「あなたの問いに、一度だけ答えます。」
「……なんだこれ、ジョークか?」
そのまま本を閉じようとしたとき、店主が話しかけてきた。
「その本、買いますか?」
値段を聞くと、500円と手頃な値段だった。不思議な魅力を感じた私は、深く考えずに購入した。
第二章:最初の疑問
家に帰り、その本を机に置くと、不思議な感覚が湧いてきた。
「本当に質問に答えるのか?」
第三章:本当の問い
「どんな質問にも一度だけ」という条件が、私に大きなプレッシャーを与えたのだ。
「人生の大事な問いを聞くべきだろうか……?」
仕事の悩み、家族の健康、将来のこと――何を聞くべきか迷いに迷った。結局、数日間は質問をせず、本をそっと机の引き出しにしまった。
第四章:問いの答え
ある日、私は大きな岐路に立たされた。
会社での昇進の話が持ち上がったのだ。しかし、その昇進には地方への転勤が伴い、家族と離れて暮らすことを意味していた。
「どうするべきだろう……。」
悩んだ末、本を引っ張り出し、質問を書き込んだ。
「この昇進を受けるべきか?」
しばらくすると、ページに文字が浮かび上がった。
「受けよ。」
答えは簡潔だったが、どこか力強さを感じた。
第五章:失われた本
その言葉を信じて昇進を受けた結果、転勤先での新しい仕事は順調で、キャリアも順風満帆に進んでいった。
「やっぱり、あの本の言葉は正しかったんだ。」
だが、転勤先で部屋の整理をしているとき、不意に本のことを思い出し、探してみたがどこにも見当たらなかった。
引っ越しの際に捨ててしまったのだろうか。心当たりをすべて探したが、結局見つけることはできなかった。
第六章:一度きりの出会い
それ以来、あの本が手元に戻ることはなかった。だが、不思議と後悔はしていない。
あの本が「一度だけ答える」という条件を超えて、私に大切な方向を示してくれたことに感謝している。
「きっと、誰か別の人のもとで新たな問いに答えているのだろう。」
あの本との短い時間は、私の人生に確かな影響を与えた。そして、あの出会いが何だったのか――スピリチュアルな何かだったのか、それとも偶然だったのか――今でも時折考えてしまう。
結末
もしあなたが、一度だけ答えをくれる本を手に入れたら、どんな問いを投げかけるだろうか?
私の人生に現れた一度きりの「古びた本」は、きっとどこかで、新たな物語を紡いでいるに違いない。
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