ある日突然、不思議なアイテムを手に入れたら、あなたは何をしますか?
それは、私の人生を大きく変えた「夢の中の出来事を現実に持ち帰ることができるノート」の話です。
目次
謎のノートとの出会い
きっかけは、近所のフリーマーケットでした。
特に目当てがあったわけではなく、暇つぶしに歩いていると、古びた文房具が並んだ一角で一冊のノートが目に留まりました。
「これ、不思議なノートよ。使い方は自由だけど、大切にしてね。」
売り子の女性は微笑みながらそう言いました。何が不思議なのか分からないまま、そのノートを買いました。
家に帰って何気なくそのノートを開くと、最初のページにこう書かれていました。
「夢の中のものを、このノートに記せば現実に現れる」
最初は悪ふざけだと思いました。でも、その夜、奇妙な出来事が起こったのです。
ノートの力を知る
その夜、私は夢の中で広大な草原を歩いていました。足元には色鮮やかな花が咲き乱れ、風には心地よい香りが漂っていました。
ふと目にしたのは、大きな宝石が埋め込まれたペンダント。それを拾い上げて眺めているうちに、夢から覚めました。
「なんて綺麗な夢だったんだ。」
夢で見たペンダントがあまりに印象的で、試しにノートの1ページ目にペンダントの絵を描き、詳細を記しました。
そして――。
次の日の朝、机の上に昨日の夢で見たペンダントが現れていたのです。
夢の中の人との再会
ノートの力を確信した私は、それから頻繁に夢の中で出会ったものをノートに記録するようになりました。
夢の中で見つけた珍しい植物、見たことのない古い本、きらめく石――それらをノートに描き現実に持ち帰るたび、生活はどこか豊かになりました。
しかし、一番心に残っているのは、「夢の中でしか会えなかった大切な人」との再会です。
それは、数年前に亡くなった幼馴染の「エリ」でした。
夢の中、彼女は変わらぬ笑顔で私を迎えてくれました。
「久しぶりね。」
「エリ……本当に君なの?」
まるで現実のように会話ができました。その優しい笑顔に涙がこぼれました。
目が覚めると、彼女との再会が夢ではなかったような気がしてなりませんでした。ノートに彼女の笑顔を描き、「彼女との再会の記録」を書き留めましたが、現実に彼女を呼び戻すことはできませんでした。
ノートを失くす日
ノートを手に入れて数カ月が経ったある日、不思議な現象が起こり始めました。
ノートの記録が突然消えることがあったり、現実に持ち帰ったものが急に消えてしまうことが増えたのです。
そんなある夜、夢の中で再びエリに会いました。
「そのノート、そろそろお別れだね。」
「え?どういうこと?」
「あなたには必要なものを十分に持ち帰れたでしょう?でも、このノートに頼りすぎるのは良くないの。」
目が覚めると、ノートは手元から消えていました。
机の上も、棚の中も探しましたが、どこにもありません。それ以来、ノートを手に入れる前の普通の日々が戻ってきました。
ノートが教えてくれたこと
ノートがなくなった今でも、私は不思議な気持ちでその出来事を思い出します。
夢の中の宝物を現実に持ち帰ることは、特別で貴重な体験でした。しかし、ノートがなくなったことで分かったことがあります。
「本当に大切なものは、現実の中にもちゃんとある」ということです。
ノートを通じて、忘れかけていた大切な思い出や感情を再確認することができました。
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