目次
プロローグ
それは、何気ない休日の出来事だった。
自宅の庭を整備しているとき、私は一冊の古びた日記を見つけた。その日記に書かれていることが現実になる――そんなことが起きるとは、このときは夢にも思っていなかった。
第一章:掘り出された日記
その日、私は庭の隅に花壇を作ろうと思い立ち、スコップを手に土を掘り始めた。
数十センチほど掘ったところで、スコップが何か固いものにぶつかった。土を掘り返すと、出てきたのは古びた革の表紙をした日記だった。
表紙には何も書かれていない。湿った匂いが鼻をつくが、好奇心に駆られてページをめくった。
そこには、丁寧な字で日々の出来事が記されていた。
第二章:些細な予言
最初に目に留まったのは、こんな一文だった。
「明日は庭に赤い鳥が来る。」
大した内容ではなかったが、なんとなく興味を引かれた。翌朝、コーヒーを飲みながら庭を眺めていると、そこに真っ赤な鳥が舞い降りた。
「……偶然だろ。」
そう自分に言い聞かせたが、日記の内容が気になり、ページをめくり続けた。
次に書かれていたのは、こうだった。
「夜、リビングの時計が止まる。」
その日の夜、何の前触れもなくリビングの壁掛け時計が止まった。電池切れかと思ったが、新しい電池に交換しても動かない。
「偶然にしてはできすぎている……。」
不気味さを感じ始めた私は、日記を閉じて棚の奥にしまった。
第三章:不吉な出来事
しかし、どうしても日記のことが頭から離れない。
数日後、再び日記を開いてみると、次のページにはこう書かれていた。
「近所の家で火事が起きる。」
読みながら、背筋が凍るような感覚を覚えた。その夜、近所の家で火事が発生したというニュースが飛び込んできた。
「本当に……起きた?」
もう偶然とは思えなかった。日記に書かれたことは、必ず現実になる。
第四章:止められない運命
次のページには、さらに不吉なことが書かれていた。
「足元の土から声が聞こえる。」
不安になりながらも、その夜庭に出ると、土の中から微かな声が聞こえたような気がした。耳を澄ますと、それは確かに「助けて……」と呟いているように聞こえる。
恐怖に駆られた私は、部屋に駆け戻り、日記を閉じた。
第五章:最後の予言
翌日、日記の最後のページを開いてしまった。
そこには、こう書かれていた。
「日記を見つけた者が、最後に穴の中に眠る。」
その一文を読んだ瞬間、全身が凍りついた。
「これは……俺のことか?」
不安が募る中、私は日記を燃やしてしまおうと決意した。庭で火を焚き、日記を投げ込んだが、火はすぐに消えてしまい、日記には傷一つつかなかった。
結末:消えた日記
それ以来、日記を触ることも見ようともしなかった。しかし数日後、日記がどこかへ消えていることに気づいた。
棚の奥にも、引き出しにも、どこにも見当たらない。
「消えた……?」
それ以来、日記の予言は聞こえなくなったが、今でも庭に立つと、掘り返した土の中から微かな囁きが聞こえるような気がする――。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み
1冊115円のDMMコミックレンタル!
人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】
人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】
ロリポップ!
ムームーサーバー
新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp
新品価格 |
ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |