怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

庭に掘った「謎の穴」が繋がる先 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

「庭に穴を掘る」という単純な作業をしたことがあるだろうか。

しかし、それがただの穴掘りでは済まされないこともある。

第一章:始まりは軽い好奇心

その日、私は休日を持て余していた。庭の雑草を抜き終わり、ふとスコップを手にして思いついた。

「ちょっと穴でも掘ってみるか。」

特に目的があったわけではない。ただ、土を掘り返す単純作業が妙に気持ち良かったのだ。

スコップを突き刺し、掘っていくうちに、次第に深く掘ることに夢中になっていた。

第二章:何かが埋まっている

1時間ほど掘り進めた頃、スコップの先が何か固いものにぶつかった。

「……なんだこれ?」

掘り返してみると、出てきたのは木箱だった。古びていて、どこか湿った匂いがする。

「誰がこんなものを埋めたんだ?」

箱を開けると、中には古い写真が何枚か入っていた。それは見知らぬ家族が写っている写真だったが、どの写真も顔の部分だけが切り抜かれていた。

「……気味が悪いな。」

箱を閉じて戻そうとした瞬間、背後から気配を感じた。

第三章:奇妙な気配

振り返ると誰もいない。ただ、どこからか視線を感じるような不気味さがあった。

「気のせいか……?」

急に寒気がして、穴を埋め戻そうとしたが、スコップを持つ手が震えて思うように進まない。

その夜、寝室で眠っていると、突然窓の外から何かを引きずるような音が聞こえてきた。

「庭か?」

窓をそっと開けて庭を見下ろすと、昼間に掘った穴がまるで生きているように、さらに深くなっているのが見えた。

第四章:拡がる穴

翌朝、庭を確認すると、穴は明らかに大きくなっていた。

「誰かがイタズラしてるのか……?」

近所に聞き込みをしたが、誰も心当たりはないという。それどころか、話をしているときに妙な視線を感じた。

「庭に穴を掘るなんて、変なことするからだよ。」

そう言われて、私はただの偶然だと思い込もうとした。

しかし、夜になると、再び庭から不気味な音が聞こえてきた。

第五章:穴の底に見たもの

翌日、意を決して深くなった穴の中を覗き込んだ。すると、底に奇妙な模様が浮かび上がっているのが見えた。

「……何だあれ?」

模様はまるで文字のようだったが、人間には解読できない不気味なものだった。

穴の中を見つめていると、急に足元が滑り、私はその中に落ちそうになった。

何とか踏みとどまったが、心の中に強烈な不安が広がった。

第六章:消えた穴

翌日、目を覚ますと、穴が跡形もなく消えていた。

「埋め戻した覚えはない……誰が?」

さらに奇妙なことに、例の木箱も見つからなかった。

その日以来、庭には近寄らなくなったが、夜になると時折、窓の外から「掘る音」が聞こえることがある。

その音が消えるとき、穴はもう一度私の前に現れるのではないかという不安が消えない。

結末

庭に掘った穴――それはただの地面ではなかったのかもしれない。

あなたも、ふとした思いつきで穴を掘ることがあるかもしれないが、その先には何が埋まっているか分からない。

穴を掘る前に、もう一度考えてほしい。



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