目次
【プロローグ】
私は一軒家に住む30代の男性だ。庭付きの家に住むのが夢だったが、いざ引っ越してみると、広い庭を持て余していた。
ある日、ふと思い立ち、庭に小さな菜園でも作ろうと考えた。
「ちょうど良い運動になるし、家計の節約にもなるだろう。」
スコップを手に、土を掘り始めたのがすべての始まりだった。
【奇妙な発見】
掘り始めて30分ほど経った頃、スコップが硬い何かにぶつかった。
「石か?」
土を払いのけると、そこには古びた木箱が埋まっていた。思いがけない発見に胸を躍らせながら、私はそれを掘り出した。
箱は錆びた金具で留められていたが、簡単に開けることができた。中には、一枚の古い写真と手紙が入っていた。
写真には、見知らぬ一家が微笑んで写っている。手紙にはこう書かれていた。
「この箱を掘り出した者へ。この庭にあるものに触れるな。」
意味が分からず、不気味な気持ちがしたが、特に深く考えずに箱を片付けた。
【聞こえる声】
その夜、庭から奇妙な音が聞こえてきた。
カリカリ…カリカリ…
まるで何かが土を掻くような音だった。
「ネコか何かだろう。」
そう思って布団に戻ったが、音は一晩中続いた。翌朝、庭を確認すると、掘り返した穴がさらに深くなっていた。
「こんな深く掘った覚えはないんだけど…」
気味が悪くなり、すぐに土を埋め戻した。
【深まる異変】
しかし、その日から庭の様子が明らかにおかしくなった。
埋め戻したはずの穴が、翌朝には再び掘り返されているのだ。そして、穴の中から微かに声が聞こえるようになった。
「助けて…」
最初は風の音だと思ったが、明らかに人の声だった。
「誰かいるのか?」
恐る恐る問いかけるも、返事はない。ただ、掘り返された土はさらに深くなっていた。
【近所の噂】
不安になった私は、近所の住人に話を聞いてみた。すると、年配の女性がこんなことを教えてくれた。
「その家、昔は別の一家が住んでいたんだけど、突然引っ越してね。庭に何か埋めたとかいう噂もあったけど、誰も詳しくは知らないのよ。」
「埋めたものって何ですか?」
「さあね。でも、その後に住んだ人たちも、すぐにいなくなったわ。」
【さらなる発見】
私は、再び庭を掘る決心をした。
スコップを握り、掘り始めると、土の中から錆びたチェーンが出てきた。チェーンは深く埋まっており、どこまで続いているのか分からない。
引っ張ると、重い何かが引っかかる感触がした。
「これ、何なんだ…?」
掘り進めると、大きな鉄の扉が出てきた。まるで地下室の入り口のようだったが、開けることはできなかった。
その時、背後から低い声が聞こえた。
「掘るな…」
振り返っても誰もいない。怖くなった私は、全力で土を戻し、穴を埋めた。
【最終的な決断】
それからというもの、穴が掘り返されることはなくなったが、夜になると微かな声が聞こえるようになった。
「掘ったのは…お前だ…」
疲れ果てた私は、結局その家を手放し、引っ越すことにした。
最後に庭を見た時、何もないはずの地面に小さな手形がいくつも残っているのを見つけ、全身に寒気が走った。
【エピローグ】
今でもあの庭では、夜になると「カリカリ…」という音が聞こえるという。
もし、あなたが庭を掘ることがあれば、そこに何が眠っているのか慎重に考えてほしい。掘り起こしてはいけないものが、そこにあるかもしれないのだから――。
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